蒼穹

□一石二鳥で愛を育め
1ページ/2ページ

【間宮澄様キリリク】


いい方法があるんだ

まさに一石二鳥

お互いに、頑張ろう!






一石二鳥で愛を育め





「お前さ…少し運動しろよな」

「うるさい」


一騎の肩を借りながら地下を歩く総士。
片足を少し庇うように、ただ部屋を目指していた。


「本当に遠見先生の所、行かなくていいのか?」

「こんなことで行けるか」


拗ねるような口調が珍しく、一騎は口元を歪めた。


「たかが足がガクッてなっただけだ」

「それが運動してない証拠では?」

「最近デスクワークが立て込んでいるだけ」

「はいはい」


そうこうしている内に、たどり着いたのは総士の部屋。
一騎は総士をベットに座らせ、その前にしゃがみこんだ。


「一騎?」


その意図が分からず、総士は小首を傾げた。
一騎は総士の靴を脱がすと、足首にそっと触れた。


「ったく、少しマッサージしてやるよ」


総士の不服そうな表情が見えた気がしたが、一騎は完璧にスルーした。

一騎は総士の足首から指先までマッサージをしていく。
ゆっくりと、時間をかけて。
強弱をしっかりつけながら、全体を包む。

だが同時に、その手付きの、何ともいえない感が総士を襲っていた。


「一騎、も…いいから」


身を捩り、足を外そうとする総士。
しかし一騎は離そうとはせず、更に包み込んだ。


「どうしたんだよ、総士」

「うるさい!いいから、離し…っぁ」


ビクリと今までにない反応を見せる総士。

ピチャ、という音と同時に、生暖かい感触に襲われる。
一騎が総士の足の指を、口に含んだのだ。
総士にとってはまさに衝撃。

引こうにも引けない足。
指に触れる相手の舌の動きに、ただ身体を震わせるだけ。


「んぅ…や…」


堪えても零れ落ちる甘い吐息。

それに気を良くしたのか、一騎は指から口を離すと、そのまま甲に唇を寄せた。
輪郭や踵にまで舌先を這わされて、総士は羞恥ともどかしさに甘い声を上げる。


「どーしたの総士?」

「な、なんでも…な、い」

「ふーん。じゃあ、腰が揺れてるように見えるのも、気のせい?」

「…っ!」


一気に耳まで赤くなるのを自覚した。
咄嗟に顔を隠したが、一騎はそんな総士に笑みを向けた。

そのままの勢いで足を持ち上げると、そのまたその勢いで一騎は総士の上に現れた。


「か、一騎っ」

「今更、だろ?」

「お前は確信犯か」

「まぁ、そんな所かな」


言い直る一騎の口調に、総士は顔を赤くしたまま眉間に皺をつくった。
真正面の一騎を睨んでも、意味のないことも理解していた。


「一応怪我人」

「あんなの怪我に入らないって。総士の運動不足が原因なんだし」


文句を言おうと開いた口に、言葉が飲み込まれる。
一騎の唇に塞がれて、舌を嬲られて。

2人の体温は、急速に高まっていくのみ。



次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ