□愛。永遠への約束
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真夜中の艦の甲板。
声をかけられ振り返れば、やはりというべきか、彼がいた。


「寒くないのか?そんな薄着で」

「あぁ。慣れてるからな」


隣にやってきたシンに、レイは軽く微笑み、少し目を伏せた。


「シンこそ珍しいな。こんな時間に」

「…レイのこと、なんか、気になって」


シンは無意識だろうが---いつもは強い力を持つ赤い瞳を忌々しげに彷徨わせた。

彼のことを、レイのことを知ったのはいつだったか。
その真実、彼の背負うものの重さ、揺ぎない決意。
実は何も知らなかったのは自分だけで、彼はいつも、本当はひとりだった?

それを考えてしまえば終わり。

シンはその思考に全てを取られたような感覚に陥り、嫌なことばかり考えてしまう。
いつも浮かぶ、自分にしか見せない、その笑顔。


「なぁレイ。お前は恐くないのか?」

「死ぬこと、がか?」

「まぁ…」

「恐いさ。だが、どうしようもないのも事実だ」

「俺も恐い。自分が死ぬこと、それ以上にレイが死んでしまうことが」


シンはそっと腕を伸ばし、レイの白い手を握った。
手の甲に唇を寄せて、その体温を逃がさないように、そのまま続ける。


「レイにも、そして俺にも時間はない。でも、願い事はあるんだ」

「願い事?」

「もし…もし、この戦争が終わって、お互いに命残ってたら」



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