□知ってたけど、意地悪な人よね
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「ねぇお姉ちゃん。皆で街に下りるけど、お姉ちゃんはどうする?」

「あたし?あたしはいいわ」

「珍しいね〜」

「今日は別件があるのよ。明日には多分出る、かな?」

「ふ〜ん」



知ってたけど、意地悪な人よね




赤のツインテールを揺らしながら、メイリンは興味薄く反応した。
自分の姉は短い髪---もちろん髪は同じ色---を整え、鏡を見つめている。

メイリンは狭いながらもそれなりに物の入ったクローゼットをあけた。
整理整頓が完璧にできている、とは言い難いが、それなりに何処に何があるかは把握できる。
そもそもこんな戦闘艦に、一軒の広いクローゼットを求めるほうが間違いだが。


「あ、そうだお姉ちゃん。服かしてよ」

「服?何でよ」

「今ある服、大体着ちゃってさ。つまんないっていうか」

「そういう問題?」

「んー…初めて来る街だから、ってこともあるんだけど」

「あっそ。でもあたしだって」

「良いじゃない!お姉ちゃんしか持ってない服あるし。あ、アレ着てみたいのよ!」


と、メイリンは思い出したように手を叩いた。
姉のルナマリアは何?と怪訝そうに眉を顰め、呆れため息を吐き出した。


「結局それが狙い?」

「えへへ」

「で、どれよ」

「あの白のミニスカート!フリルが付いてる、可愛いアレ!」


それを何処に整頓したのか。
ルナマリアは少し考え、思い出すように「あぁアレか」と踵を返した。
そしてメイリンの所に戻ってきた時、その手には噂の白ミニらしきもの。


「そう、それよそれ!!貸してよ今日だけさ」

「んーまぁいいけど」

「本当!?」

「うん、これならメイリンにもよく似合いそう。足も長く見えるし、可愛さ倍増」

「でしょー」

「あたしがこれ着た時は、皆の注目の的。嫌な気はしなかったわ」

「じゃあ…!」

「はい、貸してあげる。楽しんできてね」



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