□winner a caramel??
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いつもと同じ車で、いつものように遠出する。
都会の喧騒から遠くに離れたわけではないが、郊外デートももう慣れたもので。
お互いにノープランなだけあって、一応はデート呼ばれるこれも、なかなかのマイペースだ。


「あ、そうだ。これ、あげる」



winner a caramel??




おもむろに奈津の鞄から取り出されたのは、透明な袋に入った、なにやら小さいもの数個。
車が停止中だったので受け取ったが、見た目だけでは、それが何かはアキラには分からない。


「なに、これ?」

「生キャラメル」

「え!もしかして、この前の受賞のお祝い、とか?」

「…なに、それ?」


アキラが発した言葉を鸚鵡返しのように返す奈津。
同時に車を発進させる。

アキラは約一週間ほど前に、とある賞を受賞した。
トップモデルとしてその賞を受賞できたのは嬉しく、光栄であり、そして自信になった。
それを、お付き合いしているはずの奈津は、知らないという。


「っていうか、それ、失敗したんだよね。なんだろー…練乳かな?」


ぶつぶつと窓の外を見ながら、奈津の思考は受賞云々から、料理へと移ってしまっていた。
アキラは奈津に声をかけて、その賞についての説明をすると、そう、とあっけない返しを頂いてしまった。


「それで、そのお祝いに、これ?」

「タイミング的にも丁度だろ?受賞してから会ったのは今日だしさ」

「ふーん。受賞のお祝いに何か欲しかったんだー」


それに、軽い気持ちで頷けない。
しかし奈津はアキラの内心を見抜いたように笑った。


「あげないわよ、そんなの」

「…やっぱり」

「受賞するたびにプレゼント?無理無理。そんな余裕はないし、一つや二つならまだしも、ね。それ以上は無理になるもの」


奈津の言葉を聞き、アキラは思った。
どうやら自分は思ってた以上に、彼女から、高評価を頂けているらしい。

まだ片手でも余るほどの受賞しかされてないのに。
彼女はそれ以上は無理だろいうではないか。
気づいているのかいないのか。
アキラは満面の笑みを隠して、笑った。









両手に爆弾@楓
10万hit記念フリー配布小説
ねばぎ:アキ*奈津

皆様に愛を込めて...20090222/200909再up






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