□伝えられないことが多すぎる
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くだらない、と思ったのは己の思考。
しばし考えて、ワックスは使わないことにした。


「キモチイイ!キモチイイ!」


気持ちいい、と言っているが。
思考AIが本当にキモチイイわけではないだろう。
されている動作に対しての、プログラムされた感想に似たもの。
それでも、そう言ってくれるのは嬉しい。


「なーにしてるかと思えば」

「お疲れ様、ロックオン」

「ハロの声、響いてるっつーの」


格納庫の端で、アレルヤはハロを磨いていたのだ。
暇つぶし程度に始めたものだが、意外にはまったらしい。


「そうだアレルヤ…」

「ウレシイ!タノシイ!カンシャ、カンシャ!」

「うるさいぞハロ。人がしゃべってる時に」

「ツルツル!ピカピカ!」

「いいかハロ。次はお前のメンテナンスの時間だ。これ以上うるさくするなら、バラバラに分解してやるぞ」

「ロックオン、コワイ!コワイ!」


ピョンピョン跳ねながら、ハロはアレルヤの手から逃げ出してしまった。
逃げてもすぐ捕まってしまうというのに、と思いつつも笑ってしまう。


「それで、何ですか?」

「そうそう。ハロのせいで忘れる所だったぜ。…今日、これからの予定は?」

「特にありませんが」

「じゃあ、買出し行くぞ。いいか?」

「えぇ。いいですよ」


伸ばされた手に手を伸ばして立ち上がる。
ハロを拭いていた布を、器用に片手で畳むと、戻して足を動かした。


「ついでにどっか行きたい場所はないか?今日に関して言えば、緊急招集がないかぎりはフリーだしな」

「そう、ですね…」


考える。
いつフリーな時間がくるのかが分からない現状の為、行ける時にやれる時に動かなければ何も出来ないままである。

まだ繋がれた手を見つめて、考える。
考えれば考えるほど、考えは止まらない。
アレにコレに、ソレに。


「どーした?」

「い、いえ……、その、なんて言うか…絞れないだけです」



伝えられないことが多すぎる
(だって好きなんだもん!)


※急遽内容を変更したせいで、題とあってないですご了承下さい。
(理由:当初はアレがもっと乙女で、それじゃキャラを生かしてるわけじゃない?、と思ってこうなった。アレは(ロクもだけど)大人な同性の付き合い方を知ってると思う捏造から派生)






















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