題
□愛し合うという幻
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ねぇ、教えて
ボクらは一体どこまで
このままのスタイルで流れていくのかを。
行き違う二人の10のお題
愛 し 合 う という 幻
無理やりに腕を引かれ、壁に背中をぶつけたと思ったら、押し付けられたのは唇。
そこから微かに流れるアルコールのニオイが、カイの鼻だけではない器官を刺激する。
いつものこと。
それでも、あまりにも悲しくなって思わず相手の、デヴィッドの唇に噛み付いた。
「っ………」
声を決して荒げない相手。
しかし口端から血を滲ませるデヴィッドは、どこか楽しげだ。
「そんなに嫌か」
「ったりめーだろ!俺はアンタの玩具じゃねぇよ!!」
「…その割にいつも気持ち良さそうに喘いでいるがな」
「………!」
挑発じみた口調に、カイは相手を睨みつけた。
「アンタなんて、大嫌いだ…」
「ほぅ。まだそんな口がきけるか」
一瞬の隙をつき、デヴィッドはカイの首を掴み、そのまま再び壁に押し付けた。
衝撃で壁が揺れたような気がしたが、気にすることはない。
酒に溺れても、元軍人。
腕一本で、カイの身体を押さえつけた。
しかし、それを抵抗せず受け入れるカイ。
苦しそうにしながらも、その瞳はデヴィッドから外れない。
「どうした」