インフィニット・空我・ストラトス

□雪羅
1ページ/11ページ


強く輝く太陽はとても眩しかった。その光を手で防ぎながら一夏は青空を見上げる。
時刻はもうすぐ作戦開始の11時。右腕の白式の待機状態であるガントレットから投影ディスプレイがそう表示する。
少し遅れて、ISスーツ姿の箒が一夏の元へと歩いてきた。紅椿の準備は万端の様子。
二人は互いに待機状態である自分の専用機を喚ぶ。白と紅の光がそれぞれ一夏と箒の身体に装甲となって装着されていく。まばゆい光が止んで現れたのは、白式を纏った一夏と紅椿を纏った箒だった。動作確認を踏まえて地表からゆっくりと飛翔し滞空する。白式と紅椿もどちらも調子が良いようだ。
指令室の千冬からオープンチャネルで二人に通信が繋かってきた。




オープンチャネルで織斑先生は一夏と箒に指示を出していた。返事をする一夏はともかく、少し浮かれている様子の箒の声音に俺達は違和感を覚えていた。

鈴音「ねぇ、あの娘少し…」

輝羅「ああ。浮かれているな」

メアナ「…大丈夫でござるか?」

箒の様子に織斑先生も気が付いている様で、プライベートチャネルで一夏に釘を刺していた。通信を終えるのと同時に通信危機が異常を知らせるブザーを鳴らした。ここに来る前に聞いていた未確認生命体が近くに居ることを知らせる機材だそうだ。織斑先生が俺に向かって頷いた。それは行けという指示で、セシリアや鈴もそれを知っていたが、メアナだけは知らない様だった。
作戦指令室を抜け、俺は旅館の外に出る。その時風を切る音がした。

輝羅「変身!」

直ぐさま俺はクウガに変身し、迫る何かを避けながら攻撃を当てに行く。その何かは蝙蝠種怪人ズ・ゴウマ・グだった。

クウガM「へっ…ダグバの力消えてんじゃねぇかよ。残念だったな!」

ズ・ゴウマ・グ「ならば俺は違う力を手にするだけだ。それに、俺は復活すると共に太陽の光を克服することが出来た!これには俺達を蘇らせた連中に感謝する」

クウガM「蘇らせた……だと?!」

ズ・ゴウマ・グ「冥土の土産だ。有り難く思え!!」

ゴウマとの取っ組み合いが始まる。何とか俺はゴウマに攻撃を当てようとするが、誰がコイツ等を蘇らせたのかが気になり始め、集中力を欠いてしまう。
得意の飛行でゴウマは俺を撹乱しはじめる。捉えられない。だったら緑のクウガの姿に変わろうと思ったが、そんな隙など与えてはくれなかった。ならば俺は赤のクウガで戦うまでだ!
擦れ違い様に俺はゴウマに手刀攻撃を繰り出していく。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ