インフィニット・空我・ストラトス
□紫剣
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朝方振り出した小雨は時間が経つに連れて激しさをましていき、登校日の今日の一時間目には土砂降り状態。
何で夏休みの今日登校日何だという突っ込みは敢えて無視するとして、この前から…バヂスを倒してからメアナが俺を憎むような目で見る事が多くなった。原因は俺にある。倒し損ねたグロンギにメアナの両親が殺されたからだ。
初っ端からブルーな気分でいると、冷汗&苦笑いの表情をしていた山田先生が教室に入って来た。
真耶「えっと…その……またこのクラスに新しいお友達が……増える事になりました」
おい、ちょっと待て?多くねぇか?一組への転入生多くないか?
シャル、ラウラ、俺と続いて四人目……俺じゃないけど、ある意味四号だなこりゃ。で、その転入生が誰なんだかなぁ、と思いながら俺は教室の入口を見た。
入って来たのは、緑のメッシュが走った長い黒髪をツーサイドアップに結った女子生徒。
魅緒「園田 魅緒です。アイドルやってますが、現在は活動休止中です」
ありゃりゃ…あいつ適性幾つだよ。ちなみに俺はB。
魅緒「それと、このクラスにいる輝羅とは恋仲でーす!」
おい、何カミングアウトしてんの?何か周りから残念がってる声が聞こえてきたけど、ねぇ俺どうすれば良いの?
千冬「静かにしろお前ら。園田も、混乱を呼ぶような発言は控えろ」
取り敢えず授業に集中しようそうしよう。
その休み時間、魅緒の席の周りを俺と一夏を始めとした専用機持ちが集まっていた。鈴はいるが、メアナだけはいない。
最初に口を開いたのは箒だった。
箒「輝羅程ではなかったが、いきなりの転入とは驚いたぞ?」
魅緒「いやぁね、仮にも私女子高生じゃん?だから」
鈴音「いや、理由になってないから。広告塔にでもなるつもりなワケ?」
輝羅「あのアイドルも行ってるIS学園ってか?」
魅緒「なってもないし、なるつもりもないよ。何十年か前の先輩アイドルの『普通の女の子に戻ります』みたいな感じだし。勿論ここ卒業したら本業復帰するからね」
一夏「やっぱ好きなんだな、アイドルって職業」
魅緒「まーね。でも二十代後半になったらポイされるかリアクション芸に走るか……」
そう言いながら十年先を悩む魅緒。話に割り込めずにいたセシリア、シャル、ラウラの三人を含めた俺達を見回してメアナがいない事が気になったのか、俺にそれを問い質した。
詳しいことを俺が話すと、次第に苦い表情をする。