デジタルモンスターズ 選ばれし戦士達 GENERATION

□第四話 特訓
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とある山奥に威厳と由緒ある禅寺があった。
優斗はそこで、パートナーのアグモンと幼馴染みのナナとそのパートナーのガブモンはその寺の一角で座禅を組んでいた。
この寺は"PSLD"の施設の一部でもあり、監督なのかデュークモンもおり、彼も座禅を組んでいた。
この禅寺の名は『善念寺』と言い、東長官の双子の弟の東 忍従郎が住職をしている。兄の聡獣郎と同じ顔なのだが中身が違い穏やかな性格である。因みに彼もテイマーであり、パートナーデジモンはダークドラモンだ。

ダークドラモン「空即是色、色即是空。無の境地が如何なる物かを身を以って知るが良い」

かれこれ3時間。3時間も同じ事をダークドラモンは言っている為優斗達からすれば良い迷惑である。
因みに、終わった頃には既に、アグモンは夢の中だった。その後は滝行。優斗とナナは修行僧の服を身につけながらの滝行だ。
季節はそろそろ秋の半ばである為身に滴る水は冷たさを通り越している。なので……

アグモン「冷たいよぉ〜……寒いよぉ〜……お腹すいたよぉ〜……」

真っ先にアグモンがリタイアしてしまう。そんなアグモンを滝壺から陸地に座らせたダークドラモンは、右腕を高く振り上げた。

ダークドラモン「かぁぁぁぁつ!!」

アグモン「いでっ!」

ダークドラモン「この位でへばってしまうとは……ふぅむ。アグモンよ、君にはテイマーと同じく、特別な修行メニューを提案しよう。強制はしないが?八神君はどうかね?」

アグモン「兄貴ぃ〜…」

優斗「その前に休憩を取りたいのだが…」

デュークモン「確かに、今のアグモンはボドボド……じゃなかった。ボロボロだからな」

ガブモン「僕はどっちでも良いよ。そんなに疲れても無いし。お嬢様は?」

ナナ「私も優斗と同じで」

ダークドラモン「……仕方ない。和尚、良いでしょうか?」

忍従郎「まぁ良いだろう。先ず先に精進料理の支度をしよう。それからだ」

つまりは「飯の用意をしてからにしろ」と言う事だ。
一応優斗とナナは炊事は出来る方だが、アグモンのつまみ食いを危惧した優斗はデュークモンにアグモンを預けナナと共に調理場へと向かう。二人が行ったのを確認したデュークモンはアグモンとガブモンに語りかける。

デュークモン「お前達は、現実世界に来る前の記憶はあるのか?」

言われた二匹は、「そういえば」と思い、息を飲んだ。
どちらも気が付いたら自分のテイマーの目の前に現れたのだから。
デュークモンはこの二匹の記憶が無い事を悟り、頭を垂れる。

デュークモン「(我が君イグドラシルよ。貴方は残酷な事をしなさる。よりによって、我が盟友オメガモンの記憶を消す等と……)」

デュークモンは涙を流し、かつての盟友オメガモンの事を思い出し、同時にイグドラシルへの怒りを表し、静かに嗚咽を漏らした。
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