ポケットモンスター ブレイズウィング
□第四話 どくじむっ!
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道を塞いでいた山男にリオルで勝利したサジは、目的のタチワキシティに到着した。
関所を抜け出すと、二人の目の前で親子らしい二人が親子喧嘩を繰り広げていた。
面倒な事態だなと思う二人だが、その親子はサジとエナの気持ちなどつゆ知らず、更にヒートアップしていった。
「何度でも言うぞ我が娘よ!父は船乗りと映画俳優の二足の草鞋を成し遂げて見せる!!」
「いや、目指すのは勝手だよ!でもね、家族にめーわくかけんなよ親父!」
「我が娘よ、お前もバンドとジムを両立してるだろ?だから父もそうさせてくれよ!」
「親父の場合は自分勝手って言うんだよ!!」
これは関わってはいけない。この親子に関わってはいけない。そう頭の中で思っていたサジは、その親子に動向が悟られぬ内に、エナの手を引っ張ってポケモンセンターへと向かう。
しかし、案の定そのポケモンセンターの目の前で、その親娘が口論していたのだ。入るのには目の前の親娘喧嘩に割って入ってでも通らなければならない。
やがて、娘の制止を振り切った父親はサジとエナの姿が視界に入り、申し訳なさそうに頭を何度も下げていた。
「すまないね、みっともない所を見せちまって…アタシはタチワキジムのジムリーダー、美樹 ホミカだ。さっきのは残念なアタシの親父だよ……」
サジ
「あ、そうなんですか…。僕は夏目 サジって言います」
ホミカ
「あー、チェレンから話は聞いているよ。期待の新人だってね」
エナ
「やったじゃんサジー!期待だって?憎いぞこのこのー!」
サジ
「ちょっとエナは黙ろうか?」
ホミカはそんな二人を自身のライブハウスでもあるタチワキジムへと道案内を始めた。近くには工場もある海辺の工業地帯。すぐ近くにはコンビナートがあり、自分達の住んでいたヒオウギとは違うのだと、サジはこの時思った。
やがてライブハウス兼ポケモンジムであるタチワキジムに到着し、入ってすぐの階段を降りると、イッシュ公認ジムであることが解るように、ポケモン協会規定のバトルフィールドが床に描かれており、ジャッジもいた。
「これより、タチワキジムリーダー・ホミカと挑戦者ヒオウギシティのサジとのバトルを始める!ルールは一対一。先に相手を戦闘不能にしたポケモンのトレーナーが勝者となる!!」
ジャッジからのルールに頷くサジとホミカは、それぞれこのバトルで使用するポケモンが入ったモンスターボールを構えていた。