インフィニット・空我・ストラトス

□青龍
2ページ/5ページ


その答えに、会長は考えるそぶりを見せ、何かを呟くと俺に言った。

楯無「これから未確認事件が起きたら、その時はお願いできるかしら?」

輝羅「はい。俺、やります」

楯無「なら良いわ。ご苦労様、下がって良いわよ」

言われて俺は一礼し、生徒会長室を出た。空調が利いていた室内とは違い、廊下に出れば真夏の蒸し暑さが容赦無く襲い掛かっていた。
その廊下を通って学園の外へと向かう途中、やけに御機嫌な鈴がスキップで歩いてきた。位置から見ると、鈴は一夏の部屋からの帰りの様だ。

輝羅「おぅ、鈴。やけにゴキゲンだな!」

鈴音「あ、輝羅。そりゃーもーゴキゲンにもなるわよー!!」

あんだけ日本の夏の熱さを嫌っていた鈴のテンションが異様に高かった。手には何かのチケットが見えたが、もしかしてこれって…。

輝羅「手に持ってるチケットみっと、一夏とデートか?」

鈴音「そーそー!しかも明日よ明日っ!」

輝羅「そりゃ良かったな」

残念だが鈴、あいつはこれがデートだとは気が付いて無いぞ。多分……な。
終始ゴキゲンな鈴と別れた俺は、その後外出手続きを取って町へと向かった。もうこれ以上被害者を出さない為に。




生徒会長室で見たあの写真の風景を思い出して、俺は裏路地が多い地域を歩いていた。渋谷のセンター街の様な雰囲気だが、規模は圧倒的に本家より劣っているのが俺の感想だ。
自販機で買ったアイスコーヒーのプルタブを引きながら周囲を見回すと、営業だろうか魅緒が路上ライブをやっていた。特設ステージの周りにはアイツのファンが密集して盛り上がっていた。中にはドルオタってぇの?そんな感じの奴もいたけど、どうでもいいや。
スッと俺は魅緒に向けてサムズアップを向けると、向こうもこっちに気が付いたのか、キラッとウィンクをした。

「うぉぉぉぉ!魅緒たそ〜!ウィンクあざーっす!!」

「馬鹿がっ!あのウィンクは俺に向けられた奴だぜ!?」

魅緒の周りのファンの一部が色々言っているのを俺は聞こえない振りをして、裏路地へと歩きだす。




日が出ているのに関わらず、相変わらず裏路地は薄暗い。こんな所で奴らはゲームを行っていた。
少し奥の方へと歩いていくと、建物の影からアイツが現れた。路地裏の連続殺人鬼、いや未確認生命体第六号…。

輝羅「…お前か、バヅー!」

ズ・バヅー・バ「…貴様を殺す為に、地獄から舞い戻ってきた。これまでのゲゲルにはクウガ、貴様をおびき出す事も含んでいる」

輝羅「俺を呼ぶためだけだと……ふざけるな!変身!!」

足元に落ちていた鉄パイプを手に取り、青のクウガへと俺は変身を遂げた。持っていた鉄パイプは俺の身の丈はあるかと思うロッド状の武器に変わった。
すばしっこいバヅーに追い付けるのは、この青いクウガが有効だ。
この形態は相手の攻撃を受け流しながら、相手にダメージを与えていく為にある。
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ