漆黒の男の子はいつも一人ぼっちでした



ある日
ずぅっと一人の漆黒の男の子に純白の女の子が寄り添いました。

『泣かないで』

女の子は言いました

『キミは誰?』

真っ赤に腫れた瞳で男の子は問いました

『貴方のお友達』



それから男の子の側には必ず女の子が居るようになりました

『ねぇ。貴方の手は温かいのね』
『嘘だよ。僕は影だから冷たいんだ』
『いいえ、温かいわ。貴方はとても温かい人』

女の子の言葉に、男の子の目から止まっていた筈の雫が溢れ出しました。

『貴方は優しい人ー…』



『私はね、貴方が居ないと存在出来ないの。だって私は光だもの』
『僕もキミが居ないと存在出来ないよ。だって僕は影だもん』
『手を繋いで生きましょう?』
『ずーっと一緒にね』



影と光はずっと一緒に生きていくのです。
だって彼らは光と影。

これが全てのハジマリ。
小さな小さな
光と影の物語ー…

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