Novel
□カスタネット・リリィ
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それでも、榛名は中々触ってくれなくて、終にその生殺しのような状態に耐えられなくなった憲太は榛名がいるにも関わらず、自分でたらたらと厭らしい液を垂らす自身を弄り出した。
途端に甘えた高い声が室内を満たす。
快感に支配され、理性を手放した憲太は途端に厭らしくなる。
「は…あ、も…イ、イきそ…」
絶頂に向かってラストスパートを掛けている憲太が泣きそうな声を上げる。
「や…!離せ…っ…!」
後少しで果てそうだった憲太の膨れ上がった熱を榛名が無理矢理掴んでイケないようにする。
「だめ、何いきなり盛ってんの。設定無視は許しませーん」
もうそんなことどうでもいい。
早くイきたいのに。
早く、もう。
また恥ずかしいことを言いそうで思わず口を覆った。
「どうして欲しいか言えたら、イかせてあげる」
厭らしく唇を舐めて、答えを求める年下の恋人。
今日はいつになく意地悪だと思う。
さっきから焦れた快楽を与えられ憲太は限界が近いことを何度も榛名に訴える。
けれど返ってくる応えは『ちゃんと、言えたらイかせてあげる』というものだった。
何度も目で無理だと訴えかけるが榛名はにっこり微笑むだけ。
そんな状態に耐えかねた憲太は言葉の代わりに唇を榛名に近づけ自ら口付ける。
快感に縋るような、必死なキス。
驚いている榛名の耳元に真っ赤な顔を寄せて小声で呟く。
「…お願い…っ…センセ…イかせて…」
榛名が口の端をにっと上げて厭らしく笑ったのが見えた。
「かわい。いいよ、イッても」
首筋に噛み付いて、憲太自身を激しく上下に動かすと、すぐに限界を訴える声が聞こえてきた。
「や、…もっ…イク…!」
榛名の肩にかけていた手に力がこもる。
榛名の肩に爪が食い込み、チクリとした痛みに榛名は顔を歪めた。
憲太の先端をお返しとばかりに爪をたてれば、呆気なく憲太は欲を放った。
肩ではぁはぁ、と息をする憲太に、『これ、どーにかして』と余裕の無い顔で榛名が覆いかぶさった。