Dream・カルマRain

□カルマRain 和
1ページ/2ページ




程なくモビーに戻ってきたマルコにサッチの怒号が(いつもの事だが)聞こえてきた。

「ゴルァア!!!エーーースゥーーーウ!てめぇ何度言やぁ分かるんだ!この脳みそウミウシがぁ ぁ〜〜あぁ!?……おっ?マルコお帰り〜早かったな?」

「…よぃ」

つまみ食い常習犯エース(←つまみ食いの範疇は遥かに越えているが)
を、包丁片手にサッチが追いかけ回しているようだ。
そのついでに『お帰り』と『ただいま』の挨拶を済ませ、周りを見渡せば船縁やらドアやらに刺さった包丁が目に入り、

……どっと疲れを感じるよい……
と、思いながらも緩く口端を上げてしまうのは、やはりここが自分の愛すべき家だからだ。

「またエースかよい。懲りねぇない。」
「何でそこに陸があってメシ屋があるってのに、船で食うんだ!?また買い出し行かなきゃならねぇじゃねーか!」

サッチのその言葉を聞いて、マルコはくつくつと喉奥で笑った。


エースもオレと同じなんだろぅよい。

と、心の中で思う。
白ひげ海賊団は家族だ。皆一人一人に何かしら淋しさがある。だから、ここ(モビー)にいる。

……自分以外の誰かが、いつもここで帰りを待っていてくれる。そしてこのデカイ船には、でっけぇ『親父』がいるのだ。


「おっ!マ〜ルコ〜〜!お帰り〜〜〜!!」
と、遠くマストの上から、末の弟が太陽みたいに、ニカッと笑って手を振っている。

「お前ぇは、今日晩飯抜きだよい!
            だかんなぁ!」

サッチとマルコは同時に叱り付けてさっさと船内に戻って行く。
後ろでは末っ子がまだ何かブータレていたが二人には知ったこっちゃなかった。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ