Dream・カルマRain

□カルマRain 信
1ページ/2ページ




白ひげの部屋の一際大きな扉をノックする。「入れ」と聞こえて重い扉を押し開くと、サッチは勿論、他の隊長達(医務室の前で寝こけているエースを除いて、だが)も揃っていた。
どうやら全員呼ばれたようだ。
そして目の前にマルコが立つのを待って白ひげが口を開く。


「小僧を連れてきたらしいじゃねぇか?えぇ?マルコォ?」

「あぁ、今医務室で寝てる。…助かるかはわからねぇって船医は言ってたがねい。」

「グララララッ!お前ぇが必死になって助けてたとサッチが言ってたぜ?珍しいじゃねぇか?お前ぇが『必死』こくなんてなぁ!」
「…なっ!?別に必死になんてなってねーよい!!」慌ててマルコが否定したが、白ひげはえらく愉快そうに笑うだけだ。



ひとしきりマルコをからかい満足したのか、今度は真剣な顔で話しを促す。
それを受けてマルコは今日の昼、初めて少年に会った時の事から順に話し出した。

一部始終、時にはサッチも加わりながら話し終える。
部屋を一瞬静寂が包む。それを破り白ひげがマルコと向き合い一言放つ、


「…で、お前ぇは、そいつをどうしてぇ?」



マルコは少しの間、考える。
自分はこの船の1番隊隊長だ。どんな些細な事でも不安要素は取り除いておきたいし、それが自分の責務だ。
この船を、白ひげ海賊団を、何よりこんな自分を信じて任せてくれる親父を、家族を、内外のいかなる敵からも守る事が自分の存在意義だから。よく知りもしないヤツを乗せるなんて以っての外。


なのに、助けた。本人すら捨てるつもりであっただろう命を。この俺が。答えは既に出ていた。



「親父。
俺はアイツを理解してやりてぇ。この船に乗せて…家族にしてやりてぇんだい。」
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ