Dream・カルマRain
□カルマRain 未
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頭が真っ白ってなぁ、コレの事かい……
(とか考えている時点で真っ白では無いのだが)マルコは《衝撃的な事実》を知った後、掴んでいた胸倉を慌てて放し、踵〈きびす〉を反して医務室から出た。
ズカズカと長い廊下を歩く。その間何人かとすれ違い声を掛けられたような気もするが、それどころじゃ無かった。
アレが《オンナ》って……どっからどう見ても小僧だろい!!あんなっ、…鳥ガラ洗濯板!そもそも船医のヤローが可笑しいだろい!何で言わねぇんだい!!
心で悪態をついていたマルコだが、そこでハタと足を止める。
「親父に、報告………。」
呟いて苦虫を噛んだ様に顔をしかめる。
「………絶対ぇ、笑われるよい。」
「だが、行かねばなるまい。」
「っ!?ビスタ!?お前っ!…??」
「医務室からずっと後ろにいたんだが。気づかなかったのか?」
「………………」
「……………くっ…くはっ…アッハッハ!」
「っ!何笑ってやがんだい!!」
堪らず笑ってしまったビスタにマルコが怒鳴る。
「……いや、すまない。初めてだったんでな。」と、ビスタは未だ肩を震わせている。
「何がだよい、」それに多少ふて腐れてマルコが突っ掛かる。
「そうだな……。マルコが《らしからぬ》所が、かな。」
「…ふん、一体何の事だかわからねぇよい。」そう言ってビスタに背を向けて、さっさと歩き出す。
それを送り、ビスタは他の隊長達に伝える為、マルコとは反対方向に歩き出し、小さな声で独り言を零した。
「貴殿にとっては良い傾向だ。……この先が楽しみだな。」と、マルコの背を振り返り見てそっと微笑んだ。