Dream・カルマRain

□カルマRain 発
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マルコは白ひげに次の島についての報告を終え、欠伸を噛み殺し食堂に入った。
いつもより遅めだが、それでもまだまだ食事中の連中はいる。なんせ大所帯の白ひげ海賊団、朝ごはんを食べる人数も多い。
朝を抜く者も勿論いるが(マルコもその一人で、朝はコーヒーだけだ。)それでも、一度に食堂に入れる人数にも限りがある。甲板や自室で食べる者もいる。……が、それにしても今日は人が多い。
それに、皆何やらソワソワと落ち着きが無い。

疑問を感じながらも、サッチにコーヒー頼むか。とカウンターまで行ってその理由を知った。
カウンターに程近い席に、マチが座っている。右隣りにはエースが座り既に朝食にがっついている。

「よぉ、お帰り。」と、サッチがマルコにコーヒーを手渡す。その反対の手にはマチにだろうか、サラダにフワフワとしてバターの香りが食欲をそそるスクランブルエッグ、それにトロリとカラメルのかかった小さなプリンがトレーに乗っていた。
それをマチの向かいに座り、トレーを置きながら「次の島はどんな感じだった?」と話すから、必然的にサッチの横の席にマルコも落ち着いた。

「待たせたな。マチ。今日は軽目にって船医が言っただろ?だからコレな?愛想がねぇからサッチ特製プリンも付けといたぜ!」
何て言うもんだから、当然隣のエースが食いついてきた。
「なんだよ!サッチ!オレには!?」
「ねぇよ!野郎にプリン作って何が楽しい!?マチは気にしねぇで良いから食べな?」と促したが、

当の本人は、
「………プリン…」
と不思議そうにスプーンで突いている。
そこでサッチもエースもマルコも一瞬マチを凝視してしまった。
まさか、と思いサッチが尋ねる。

「…プリン食った事無いのか?」
頷くマチに、今度はエースが
「プリンはな?プリンプリンで甘くて美味しいんだ!食ったらわかる!」と、説明にならない説明をしている。
それを聞いたマチが早速食べようとするのを、マルコが止めた。

「…プリンはデザートだよい。飯をちゃんと食ったご褒美みたいなもんだ。だからマチもまず飯からだい。」

それに素直に従い、サラダから手を付けはじめたマチを見てサッチはますます目尻を下げた。
はぁ〜〜〜…癒されるわ〜〜…なんて思っていたが、あえて口にしなかった言葉をエースが言った事でその場が凍り付いた。

「ははっ!マルコ父親みてぇだな!」


それを聞いてサッチは勿論、周りでソワソワとマチを気にしていたクルーまでもが青ざめた。
瞬間、ビキッと青筋をたてたマルコがテーブルのしたでエースの足を覇気まで纏って踏み付けた。
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