Dream・カルマRain2
□カルマRain 告
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鏡に写る自分が見慣れなくて何度見ても落ち着かない。少しの罪悪感と後ろめたい気持ちは今もマチの心に残っていた。
『夜、また迎えに来るよい。』
マルコが出ていった医務室でマチは小さく溜息をつく。
…宴…か、少し気が重いな。
考えて小さく首を振る。
あの島には自分の望みの為に行った。この船の航路を変えてまで行ってくれた。その上怪我をして迷惑を掛けたに違いない。
そんな自分の為に宴を開いてくれるなんて、申し訳なさ過ぎる。
そう考えると益々憂鬱だった。
医務室の他より少し大きめに作られた窓からは夕陽に海がオレンジ色に染まっていた。
食堂ではサッチが宴の準備を終わらせ、仕上がった料理をカウンターに並べていた。後はこれを甲板に運ぶだけだ。
出来上がった料理に満足気に頷きながら、背後の人物をチラリと見た。
何だかアンニュイな雰囲気を醸〈かも〉しているマルコがテーブルに頬杖をついてぼんやりしていた。
サッチが仕込みを始めた時からピクリとも動いていないその男に、軽く溜息をつきながら近づく。
「何シケた面してんだ?マルコ。」とコーヒーを手渡しながら隣に腰掛けた。
「…サッチかい。ありがとよい。」とそれを受取ながら礼を言うマルコだが、どこか上の空だ。
「マチも目を醒ました、お前とも上手くいきそうだし、瞳の色だって取り戻した。それなのにそのシケた面。……悩んでるのは、『あの事』か?」
『あの事』
サッチの言うそれにマルコは、ハァーーーと深く息を吐きながら突っ伏してしまった。
「……マチに会いに行く度、言わなくちゃと思うのによい…会ってマチの、あの瞳を見ると言え無くなる。
俺は怖いんだよい。《バードル》が……奴が生きてるって知ったらマチが、…「ダメだっ!!」」
突然聞こえた大きな声にマルコとサッチが振り向いた。
そこにはつまみ食いをしようと、こっそり近づいていたエースが怒りを露〈あら〉わに立っていた。