Dream・カルマRain2

□カルマRain 海
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波にたゆたう白鯨を明るく照らす月明かり。時折吹く潮風が海に生きる者達の心を踊らせる。

そこかしこに燈されたランタンが写し出す人影は皆等しく楽しげだ。



マルコがソッとマチを甲板に立たせてやる。場所は白ひげが座っている椅子の前だ。

暫く俯いていたマチが顔を上げた。
静まり返った甲板では、マチをじっと見ているクルーの誰もが目を離せないでいた。

月の光やランタンで果てなく暗い夜の海に、まるでライトアップされた城の様なモビー。その中にありながらも、まるでそれ自身が光を放っているかの様なマチの瞳に皆息を飲んだ。

しかしその沈黙はマチの行動で破られた。

ゆっくりと深く頭を下げそして固い口調でマチは謝罪した。


「迷惑をかけて申し訳ない。私の所為で航路まで変えてくれたのに、怪我までして面倒をかけた。」
そう言って顔を上げたマチだったが、周りのクルー達がキョトン顔をしているのに疑問を感じた。

その場の空気がどういう意味合いの物か判ら無くてマチがどうしたものかと口を開きかけた時、背後から空気を震わす程の笑いが起こった。


「グララララ!
何謝ってやがる!お前ぇは息子の恩人だ!礼を言われこそすれ謝る道理はねぇだろが?グララララ!」と、変わらず豪快に笑い飛ばす。そしてひとしきり笑った後、真剣な顔でマチを見る。


「……よく戻ったな。マチ。」
そう言って目元を和らげその大きな手でマチの頭を撫でた。すると甲板が一気に騒がしくなった。

「「「お帰り〜〜〜マチ!!」」」

皆口々に言葉を投げかけマチに駆け寄り始めた。

それを見てギョッとしたのはマチだけでは無かった。
マルコが慌ててマチを抱き上げ避難するが、それに負けじと追い掛けられる。
先頭は勿論エースだ。皆なにやら口々に不平不満を叫んでいる。

「ずりぃぞ!マルコ!」

「そうだぞ!!独り占め禁止!!」

「だ〜〜〜!傷に障るだろい!!」

「隊長〜!俺達にも愛〈め〉でさせて下さいって!」

「だっ!?誰が愛でさせるかっ!!」
…って、ゆうか今の誰だ!?後でぶっ飛ばす(怒)


暫く続いた追いかけっこは、マチを正統に心配するハルタの身も凍る様な一言で漸く幕を閉じた。




「怪我人を追いかけ回すなっ!!そんな事も分からないお馬鹿な脳ミソなら要らないでしょう?。僕が切り離してあげる♪」


……ギャーー★※@*ちょっ!ハルタっ!?マジでっヤメ*※★!
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