Dream・ゴールデンRule
□ゴールデンRule その2:あなたの死亡フラグ回収しに来ましたが何か?
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ゴールデンRule
その2:あなたの死亡フラグ回収しに来ましたが何か?
通りかかった鳥に尋ねたのが間違いだった。
楽をしようと鳥に乗っかったのが間違いだった。
真下で声がしたと思ったらいきなりの急降下。体のバランスを取ろうと羽を出したのも間違いだった。
いや、そもそもこの《仕事》を引き受けたのが間違いだった。
「………おい、いい加減落ち着いたか?」
言われて目を恐る恐る開ければ数人の男達がこっちを見ている。
すると何故か笑っている男が話し掛けてきた。
「よう、お嬢ちゃん。顔はこんなだが何もしやしねぇから、離してやってくれるか?」
………離す?
落ちたショックでうまく働かなかった頭が程なく言われた事の意味を理解して慌てて口を開いた。
放された腕を覗き込んだその男が、又しても笑いだした。
「ふはっ!おい、ベンっ、歯形っ、は…歯形がついてんぞ?ベンに歯形つけるとはお嬢ちゃんやるじゃねぇか!ダァーハッハッハッ!」
するとさっきまで少女が乗っていた鳥を片手に持った男まで笑い出す。
「本当だぜっ!お嬢ちゃん、歯は大丈夫か〜? 」
「何が『大丈夫か?』だ、噛まれたのは俺だぞ。」
そんなやり取りの最中、背中に生えている羽を震わせて少女が立ち上がった。
「……………。」
「……お?どうしたんだ?お嬢ちゃん??」
「…私を…この私をお嬢ちゃんなどと失礼な!第二位階・第六階級の私をお嬢ちゃんとはっ何事か!?」
「………第二位…??」
突然怒り出した少女に男達はポカン顔だが、それでも少女は怒り続けている。
「第二位階・第六階級だ!!だいたいお前達は、そもそもからして…」
と、突然少女の動きが止まった。
そして今度は奇妙な質問を投げ掛けた。
「…………もしかして、私が、…
見えている?」
その質問にその場の全員が頷いた。
さっきまで威勢良く怒っていた少女は、今度は慌てふためきながらパンツの後ろのポケットから何やら紙を取り出し始めた。
綺麗に折り畳まれたそれは拡げられた瞬間、少女の手の中で黒い炎を燃え上がらせそのまま消えてしまった。
「おぉ〜!イリュージョン!」
パチパチ手を叩くおっさん達を余所に、少女はがっくりと項垂れた。
しかしそれも束の間、少女はゆっくりと立ち上がりシャンクスを真剣な眼差しで見つめた。
「《赤髪のシャンクス》さん。貴方の運命は更新されました。よって、今から7日以内に死んでいただきます。」
そして又しても、その場の全員がポカン顔を晒した。