Dream・ゴールデンRule

□ゴールデンRule その3:神が平等なんて誰が言いましたか?
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ゴールデンRule
その3:神が平等なんて誰が言いましたか?



まぁるい月が浮かぶ夜。
海賊たちの宴が始まる。

酒の肴は、自分達の冒険話、それとラムがあればそれで充分。



シャンクスの打ち落とした鳥の丸焼きを囲んで宴は始まった。

「それでは、新しい仲間にかんぱーい!」

「「かんぱーい!」」
ヤソップの音頭の後に、皆が手にしている瓶ごとのラムを鳴らし合う。
ベックマンも呆れながらラムを掲げた。

いつの間に仲間にされてしまったのか、シャンクスに肩を組まれた少女が何度目か分からぬ乾杯に溜め息をついた。

「遠慮せずに飲めよ〜?酒だけは腐る程あるからな!」

そして、この台詞も何度目だろうか、少女が肩に乗せられた腕を払いながら忌々しげに返す。

「だから何度も言っていますが、私達は飲むことも食べる事も必要としないんです。」

その横ではルゥが鶏肉にかぶり付きながら信じられないといった顔をしている。

「旨いもんが食えねぇなんて…」
そう言ってまるで哀れな者を見る目で少女を見つめた。

………最早溜め息しか出ないな。
と、少女はまともに相手をするのを止めた。


「……ところでよぉ、オレは死ぬはずだったんだろう?一体どうやって死ぬはずだったんだ?」

「おいおい、お頭。あんた何言ってんだ?死因なんて決まってんだろ?あん時死ぬはずだったんなら、餓死に決まってる。…それか酒の飲み過ぎとかな。」

ヤソップのその言葉にルゥが続ける。

「……それか、キレたベンに《ズドン》とかな。」

「ギャッハハ!あり得るな!一番あり得るなっ!?」

「くっ、テメェ等頭に向かってコンニャロが、ベンがそんな事するわけねぇだろがっ!な、ベン?」

そう言ってシャンクスがベンを振り返れば、先程から黙ってちびちびやっていたベンが答える。

「…弾が勿体ねぇ。どうせ殺るなら舳先〈へさき〉に吊るして海王類でも捕まえる。」

「ギャハハハハ!そりゃ良いな!それが一番建設的だぜっ。」

「………何が《建設的》だ。意味わかって使ってんのか?」

そしてお互いメンチを切りながら、あん?コラ、おん?コラ、とやりあい出したのを放ってベンが彼女に話し掛けた。

「それで、実際のところどうなんだ?」

「…シャンクスさんの死因は、…」

「「死因は?」」

「…《不注意》です。」



「「………………………………ぇ、え?」」



「ですから、貴方の死因は《不注意》です。」


「……………………不注意、」

ベンの小さな呟きが波間に溶けた。
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