Dream・カルマRain
□カルマRain 序
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背中を向けて今しがた殺した男に刺さった刀を無造作に引き抜いた少年は、今度はくるりと振り返りマルコを値踏みするような眼差しで見つめてきた。
カチリと目線が噛み合った。二人は無言で見つめ合ったが、やがて少年は興味を無くしたように、フイっと視線を外したかと思うと、またくるりと背を向け林の中に走り去った。
マルコは少年の姿が林の中に消え去っても暫くそこを見つめ続けた。
そして、はっと我に返り殺された海賊の側に立ちまた考えだす。
…海賊狩り。ガキが賞金稼ぎかよい?こいつもこいつで情けねぇない。大の大人が(しかも海賊)あんなヒョロイのに殺られちまってよい…………
そこまで考えておかしな事に気付く。
賞金稼ぎなら『首』が要る。だがあのガキは持って行かなかった。金が目当てじゃねぇのか??
……解らねぇが…まぁいいか、とマルコも興味を無くしモビーへと歩き出した。
だがマルコの心にはあの少年の瞳の暗さが、いつまでも残っていた。