Dream・カルマRain
□カルマRain 和
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その夜遅くマルコが自室でそろそろ休むかと思った時、誰かが扉をノックした。
「マルコ、起きてるか?」
ドア越しに潜めた声はどこか固さがあって、
「…?サッチか?起きてるよい。」と、返事をしながらドアを開けると、
いつものリーゼントでは無くカチューシャでオールバックにしたサッチが居た。どうやらサッチも寝る間際だったらしい。
「どぅしたい?」と、マルコも自然口調が固くなる。それは常よりサッチがリーゼントにポリシーのような物を持っていて、滅多にこのような姿は人に見せないからだ。
「昼間、お前ぇが陸に降りてる間に海賊船が着たんだ。俺達より少し向こうの岸壁付近に停まってたんだが……小さい船だし特に気にもしてなかったんだがよぉ…今甲板で寝酒飲もうとしたらよ?何か様子がおかしいんだ。」
それを聞いて二人で甲板まで出てみると、確かに何か騒々しい。
「酒盛りかなんかじゃねぇのかよい?」
と、サッチを見た瞬間、
『パンッ』
『パンパン』
立て続けに銃声が聞こえた。
「…!…サッチ、親父に報告だ。俺は偵察に行ってくるよい。」
「わかった!」
「只の小競り合いなら放っておく……よいっ!!」一瞬で蒼い焔に包まれたマルコが甲板を強く蹴って羽ばたいた。
サッチはそれを目の端に捕らえつつ白ひげの部屋へと足を向けた。