Dream・カルマRain

□カルマRain 騒
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医務室に運び込むのと、船医が来たのは同時だった。

船医は馴れた手つきでまずマントを脱がせて床に放る、とマントらしからぬ重い音。
気になってマルコはしゃがんでマントを拾い上げ観察した。するとマントの裏には隠し武器、所謂《暗器》の類がわんさか出てくる。
それをしげしげと見ていると、今度はサッチが奇妙な声を上げた。

目線をサッチの見ている先にやれば、船医が肩に刺さった木片に手をかけている所だった。

「サッチ?」

とマルコが声をかければサッチは診療台に寝かされた少年に指を向ける。

「?」サッチの横に並びそこを見てみると、そこにはマントの比じゃ無いほどの《暗器》が。

腕の横に付いているクナイや脇腹のあたりには小さなナイフ、太ももには小型の銃がホルダーに納められている。その他にも名前も判らないような物まで実に多彩だ。

……全身武器だらけだよい。

こいつ一体どんな人生を送ってきたのか。とそんな事を考えていると、隣でサッチが


「この子何者?」と、つぶやいた。


…やっぱり厄介事に巻き込まれちまったい…

そう思いマルコはまた溜息を一つついてうなだれた。
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