Dream・カルマRain

□カルマRain 走
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…?こいつ、今ナースを庇いやがったよい。
マルコがそう考えると同時にサッチが口を開く。

「…おぃガキ。一体何がしてぇんだ?使う気がねぇんなら、さっさとその可愛い子ちゃん放してやれや。テメェもそのままじゃ死ぬぜ?」
と凶悪な笑顔で話す。

サッチもさっきの少年の動きに気づいているようだ。

すると少年は、今度はナースをエースに向けて突き飛ばした。それを受ける為にエースは床に片膝を着く。

エースの頭上を風が切る。振り返った時には、甲板に続く廊下を少年が疾走していた。
それを直ぐさまマルコとサッチが追う。

二人が甲板に着いた時、少年はすでに船縁に足をかけていた。
血を流し、その半身はびっしょりと濡れていた。その後ろ姿を見てマルコはおかしな感覚に捕われていた。


『死なせたくない』
『何とかしてやりたい』


その思いを口にするかのように少年に声を投げた。

「死んじまうよい!」

叫んですぐ後悔した。
何をマヌケな事言ってんだ!と自分を心の中でぶん殴った。

すると少年は昼間会った時のようにくるりと振り返りマルコを見る。
そして初めて言葉を交わす。

「確認しなくてはならない事がある。死んでも構わない。だから捨て置け。」

少しの恐怖も感じていない凜とした声だった。


そして無謀にも夜の海にダイブした。
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