Dream・カルマRain2

□カルマRain 互
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「…くそっ、何で俺がこんな事っ……」とぶつぶつ言いながらマルコがしている『こんな事』とは、医務室の床磨きだ。

四つん這いになりゴシゴシとデッキブラシで力任せに床を磨く。

マチを抱いて医務室に行ったマルコに船医が言い付けたのだった。
マルコを小僧呼ばわりする数少ない者の威光は素晴らしく力を発揮したようだ。

それももう少しで終わる頃、又してもマルコをイラつかせる者達がやって来た。


バガン!!!

今まで聞いた事の無いドアの開閉音に驚いて、壊しでもしたかとドアの裏手を見る。

そこには頭を抱えて突っ伏するマルコが居た。

「うおっ!マルコ!?……何してんだ?そんなとこで?」とキョトンとしているのは、白ひげイチ空気の読めない男・エースだ。そして、事のいきさつを知る男・サッチ。


「くっ…手前ぇ……」と、オデコを手で抑えながらマルコがエースを睨んだがその目は涙目だ。
そんなマルコをやはり涙目で見ているサッチは、手で口元を覆い吹き出すのを必死で堪えている。

そしてやっぱり空気の読めない男・エースはそんなマルコに?を浮かべつつ、医務室に来た理由を思い出す。

そしてその瞬間にはもうマチに抱き着いていた。


「マチ〜〜〜!!」良かった、良かったと号泣しながら、あらんことかマチを抱きしめている。

「「エース!手前ぇ!!
       マチに触んなっ!!
       傷に障るだろっ!!」」

サッチがエースに拳骨を落とし、マルコはベッドに乗り上げマチを自分に抱き寄せる。

サッチがマルコの台詞にニマニマする中、最後まで空気の読めない男・エースは、
「マルコも抱き着いてんじゃん!!何でオレだけ!?」と文句を言いながらサッチにズルズルと引きずられて、医務室を退場して行く。
そして最後に、ヒョッコリ顔を覗かせたサッチが、

「今日は宴だぞ。今のうちに休んどけよ?マチ★」

とウインクして去っていった。


暫く呆気にとられていたマチがモゾリと動いてマルコは腕を緩めた。

「大丈夫だったかい?マチ。」と聞けば、マチが済まなさそうにマルコに目を向ける。

「私は大丈夫だ。…だが、」とマチが手を伸ばしてマルコの額に触れた。
「…赤くなってる。」マチの少し冷たい指先が気持ち良くて、マルコは目を細めて自ら擦り寄せた。

その瞬間ピタリと動きを止めたマチに、マルコが可笑しそうに小さく笑いながら顔を寄せる。

「…お前も、赤くなってるよい。」

そう言ってマチの赤く色付いた耳たぶを、マルコの唇が掠めていった。
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