Dream・ゴールデンRule

□ゴールデンRule その2:あなたの死亡フラグ回収しに来ましたが何か?
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「………つまり、だ。頭は今日死ぬはずだった。そして、お嬢ちゃんは死んだ頭を迎えに来た《死神》ってわけか。」
ベンが今しがた聞かされた少女の話を要約した。それに少女は頷き、補足する。

「はい。ですが、運の悪い事にこの有り様。シャンクスさんの運命は更新されてしまいました。」

「…で、在るのが《死の予備日》って事か。魂の回収に失敗した為に、お嬢ちゃんは実体化した。」

「はい。予備日はこれより7日間。その間にシャンクスさんには無事に死んでいただかなければいけません。その間私は回収の為、実体化してお側で待つこととなります。」

目尻がキュツと上がった猫の様な瞳を細めてにっこりと笑う姿はどう見ても人にしか見えない。しかし話している事は物騒極まりない。

「ふーん。それで、お嬢ちゃんがオレを殺すって訳か??」
胡座をかいて、一体自分の話だと分かっているのかシャンクスが呑気に聞き返す。

「いいえ、私達死神は、人の生死に直接関わる事は出来ません。今回の様なアクシデント的な要素が高い場合は例外が認められますが、普段それらの行為は粛清〈しゅくせい〉の対象となります。」

「…《粛清》って?ダイエットかなんかか?」

「馬鹿!死ぬって事だろ!?」
話の腰を折るルゥにヤソップが小声で突っ込んだ。

「何だ?同じ事だろ?」
と、ルゥとヤソップが小声で言い合っているのにベンが苦笑いを浮かべた。

「命を持たない我々が《死ぬ》と言うと語弊がありますが、簡単に言えば《消滅》と、言ったところでしょうか。」

自分の死について淡々と話す少女を
シャンクスはじっと見つめていた。

そして徐〈おもむろ〉に口を開いた。

「……死神の羽ってそんな感じだったか?」

一体何を言うかと思えば……、
ベンは眉間を押さえ首を振って溜め息を吐いた。

「だってよ〜、気になるだろ?オレが思うに、もっとこう、蝙蝠っぽい感じの羽がイメージなんだよな〜?」

しかしそのずれた質問に、少女がすかさず反論する。

「それはただの《悪魔》ですっ!私が死神じゃ無いなら、この羽は一体何だと思うんですか!?」

「何って………からす天狗、的な?」

「なっ(何ですって)、かっ(からす天狗)!?私は死神ですよ!?」

「死神って、悪魔と違うのか?」
そして止めにヤソップ。



「当たり前です!何度も言いますが、私は死神なんです!死・に・が・み!死を司る《神》!」

それに漸く納得したのか、
シャンクスとヤソップ、それにルゥが頷いていた。


………この、3馬鹿トリオが。

果たして、そう思ったのはベンだけでは無い筈だ。
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