黒バス。
□帰り道
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部活が終わり、生徒が帰路につく。いつもならこのままチャリアカーのじゃんけんだが、今日は違う。今日はチャリアカーを持ってこなかったのだ。何故なら、どうしてもこの緑間真太郎と並んで帰りたかったからだ。こう見えても俺たちは恋人同士なわけだ。
「ねぇ、真ちゃん。今日寒いね」
「そうだな」
「あ、自販機あんじゃん!なんかあったかいもの買ってくるわ」
「…おしるこ」
「わーってるよ!」
自販機のおしることコーラを買い、真ちゃんの元へ走る。おしるこを渡すと、小さくありがとうと呟いた。
「高尾…寒くないのか?」
「なになに!真ちゃんあっためてくれんの?」
「バカ尾。寒いのに冷たいものを飲んでいるからだ」
「あー。炭酸が飲みたかったんだよ」
「…やっぱり、馬鹿なのだよ」
真ちゃんはおしるこの缶を置き、俺の頬に触れた。真ちゃんの手はほんのり温かくて、気持ちよかった。