土沖。

□エープリルフール
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「総悟、俺達…もう別れよう」

「なん…で」


不安にしていたことが現実になる。これほど恐ろしいことはないだろう。しかし今、目の前で起こっているのだ。


「元から男同士ってところからおかしかったんだ」

「俺はっ…そんなこと」

「じゃあな」


そっけなく別れを告げられ、反対方向へ歩いていく土方さんの背中を見ていると、涙が溢れだした。
俺が何かしたのか。それとも土方さんの熱が冷めてしまったのか。それとも…本当に嫌われてしまったのか。

しょっちゅう土方さんにいたずらを仕掛けて命の危険に晒した。きっとそれが原因だ。分かってた。こんな表現しかできない俺はいつか土方さんに捨てられる。そう分かっていてもそれをやめることができなかった自分を呪いたくなる。

それでも俺は土方さんが好きで好きで仕方がなかった。


「新しい年度になるってんのに…不幸でさァ」


そう呟き、隊服の袖で涙を拭い自室へ戻った。

襖を開けると煙草の匂いがした。昨日土方さんがこの部屋にいたからだ。匂いが鼻につき、つんと痛くなる。緩んでいた涙腺はそれによってまた緩み、止めどなく涙を溢れさせた。

 
 
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