忍岳。
□らびっと。
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『知ってるか侑士?ウサギって、寂しいと死んじまうんだって』
その話を聞いて、あ、岳人のことやと思った。
よく跳ねるし。
今の状態がそうとしか思えない。
求めてもらえないから寂しいんだ。
「侑士となんか…別れてやるっ」
岳人はそう言って、部屋から出ていこうとする。
俺は岳人の腕を掴んだ。
「っ…離せ…よ!んっ!?」
そのまま腕を引っ張り、岳人の唇と己の唇をあわせる。
「…っ、はぁっ、何すんだよ!」
「好きなんや!そんな…別れるなんて…言わん、といて!」
「ゆ…うし…」
「あの女子は振った。それに、求めなかったのは…岳人のためや」
「俺…の?」
「せやで?岳人を…キズモノにはしたくないんや…」
「侑士…泣かないで?」
「え?…あ…」
頬が、濡れていた。はは、カッコ悪。
「俺、侑士になら、キズモノにされてもいい。いや、侑士じゃなきゃ、ヤダ」
「あぁ…。岳人も、泣かんといて?」
すっと涙をすくいあげる。
「侑士…キス、して?」
「ええよ?飽きるまでしたるわ」