テニプリパラレル。

□ウソ、大好き
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声はどんどんかすれていく。スキをつき、日吉の手を少し強く叩くと、銃を落とした。そして、俺は正面を向く。

「若…泣いてるのか?」

日吉の顔を覗くと涙で濡れていた。唇をグッと噛みしめ、うっすら血が滲んでいる。

「跡部”部長”、早く…撃つなら撃ってください」

日吉は両手を上げて、目を閉じた。俺はカチンときた。ふざけんな…

「ああ…いいぜ、早く死にたいならな!でも、違うんだろ!」

「っ…」

日吉は俯いたと思えば、すぐに顔を上げて口を開いた。

「死にたくありませんよ!でも…でも!もうここから出ることは出来ないんです!最初から跡部さんを撃つ気なんてなかった!俺は!この世で1番愛しているあなたに殺してもらいたかった。だから、感情を捨てて、部長呼びをして…っ。でも、いざって時に涙が止まらなかった!跡部さんが生き残ってくれれば…それだけでいいんです!」

「若…俺だって、お前が幸せなら死んでやってもいい。でも、それでいいのか?」

「ヤです…イヤです!俺は、俺は跡部さんと一緒に生きて帰りたい!」

日吉のサラサラとした茶髪を撫でる。唇をなぞり、口付けを落とすと、赤くなりながらも微笑んだ。でも…きっとここから出ることは出来ない。だったら、

「若…一緒に死のう」

「っ…はいっ…」

日吉は俺の手を強く握り、抱きつく。崖は目の前だ。日吉はただ一言、怖いから、とだけつぶやいて、キスをしてきた。


そのまま俺らはとんだ。


end
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