黒バス。
□帰り道
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「こんなに冷えてるじゃないか」
「ん。真ちゃん、やっぱりあっためてよ」
「……仕方ないのだよ」
そう言うと、真ちゃんは後ろから抱きついてきた。真ちゃんの表情は見えなかったけれど、耳が赤くなっていることはわかって、照れてるなということがわかる。
「真ちゃん」
「なんだ」
「キス、していい?」
「…聞くな。馬鹿」
俺はくるりと後ろを向き、ちょいちょいとしゃがめと合図する。真ちゃんは少しだけ屈み、目を瞑る。そのまま柔らかい唇にキスをした。そこからは先ほどのおしるこの甘い味がした。唇を離すと、ほんのり上気した赤い顔が目の前にあった。その顔をみてドキッてした。
「真ちゃんの天然っ」
「何がなのだよ!」
「っ!…こういうことだよっ」
俺は真ちゃんの学ランを引っ張り、今度は深いキスをした。おしるこの甘さが先ほどより強く、こっちが目眩を起こしそうになる。唇を離すと銀色の糸がつながり、プツンと切れる。
「そういう顔見せていいの、俺だけだからな」
「はぁ。意味が、わからないのだよ!」
「だ・か・ら!…あーもう!」
悔しくて耳元で囁いてやった。…お前は俺のなんだからってね。