いつだって君に
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「ちょっと名無し子!こぼれてる!!」
「うわぁ!ごめんーーー!!」
ユチョンの告白を受けた翌日、私は盛大に自分を見失っていた。
「はぁ…。」
やっと迎えた休憩時間。店の裏でmyタンブラーに入れたマキアートをすすりながら、昨日の電話の内容を反芻してみる。
「そもそも何のために電話したんだっけ…あぁそうだ。父さんと母さんに連絡して…それを報告するためだったんだよな…。何であんな話になったんだろ…?」
うんうん唸りながら頭を抱えていると、裏口のドアが急に開く。
「いたー!あんた店の裏好きだねー!」
「ジュン子…私の思考を乱しに来たね…。」
「私も休憩なんだってば。ねぇ、あのあとユチョンにかけたんでしょ?ユチョン何て?」
「グホッ!!」
「うわぁ何か出た!きったないなぁもう!!」
昨夜も似たようなくだりがあったなと思いながらハンカチで口元をぬぐう。
「ユチョン何て?ねえ何て?」
「近い近い顔が近いよジュン子!…別に何もないよ、普通の話をしただけ。」
「ふーん…。でもユチョンの番号ゲットなんてすごいよね。ただ気に入ってるだけじゃあない気がするんだけど。」
「気まぐれなんじゃないの?」
「いや、ユチョンは慎重なタイプだよ。慎重ってゆうより臆病かな。長年ユチョペン…あぁペンって韓国語でファンって意味ね、まぁそのユチョペンの私が言うんだから間違いない。ユチョンはあんたのことが気になってるね。」
ジュン子が冷静に分析する。
「長年その…ユチョペン?なのにアイツ番号とかもらいやがってキーーーッ!ってならないの?」
「私はユチョンが幸せならそれでいいからね。色々苦労してるから、ユチョンは。」
「あぁ、家族が離ればなれだったこととか…?」
「え?何で知ってるの?まさかユチョンとそんな話まで!?」
「何かうちの親の話からユチョンさんの家族の話に…」
ジュン子は目を見開いて口をポカンと開けたまま私を見つめている。