短・中編置き場

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平凡が夢のあらすじ。
俺、やんちゃを辞めて平凡の夢をみる華の高校生。だったのだが入学式でその夢は破れる。そして見つけた平凡君は平凡でなかった。ちゃんちゃん。


「ちゃんちゃん、じゃないだろ。ボスのことも言えよ筑紫」
「母素?そんな平凡君いましたっけ原田君」
「ボスだよ!俺が所属しているK(KING)グループのボス!」
「知らん!そんなグループとか知らん!俺は知らん!」
「前回のラストはボスと友達からの付き合いで妥協してただろ!」
「あーあー何も聞こえない!僕は何も聞こえませーん!」
「一人称を俺か僕どっちかに統一しろ!って、違う!屋上来いよ!ボスを慰める身にもなれよぉぉぉぉぉお!」


屋上なんて行きたくない。
屋上の半分の領土を渡してから早1週間、俺は1度も屋上へ行っていない。
1週間雨が続いたとか、風邪を拗らせたとか、課題をやっていたからという理由ではない。

俺の跳び蹴りに惚れ一目惚れしたとアホの極みを言うキチガイ男が居るからだ。
ちなみに俺も男だ。男が男に惚れるって何だよ。気持ち悪い。虫ずが走る。俺はホモでない。
将来は可愛いお嫁さんと子供2人で幸せな家庭を築くんだ!


そーそ、オマケに言っておくと隣に居るのは原田。ボスからの伝言係り兼俺の説得役。こいつ毎日毎日しつこいんだよ。屋上を半分譲ってから行かなくなって3日後に来たからな。泣いて顔面を腫らして俺の元に来たからな。

確かその時俺が屋上に来ないから殴られたと言って屋上に来てくれと縋られたがそんな理由で殴る奴とは会わない、友達解消だ。と言った気がする。


「慰めてるならお前が恋人で良いだろ。おめでとー原田氏」
「やめろぉぉぉぉお!俺を殺す気だろ?!ボスが聞いたら真に受けるから止めろ殺される!つか原田氏って何だよ!氏ってなんだよぉぉぉお!」
「煩い」


さっきから絶叫しやがって煩い。
振りかぶって殴ろうとしたが避けられた。
チッ、相変わらず俊敏に避けやがる。


「つ、筑紫君、まだ友達と話すなら場所を変えてくれないかな」
「え、やだよ。友達でもないし。つーわけで原田氏、お幸せに」
「ちょっ、筑紫ぃぃぃぃい!」


ドンっと押してバンッと閉めて鍵を閉める。
向こうからバンバン扉を叩く音が聞こえるがなんとか平穏は取り戻したはず。

そんな俺が居る場所は職員室。
職員室の扉は少し頑丈だから原田の力だけでは破ることは出来ない。

さっきの場所を変えてくれと言ったのは一度も自分の教室に行った所を見たことが無い俺のクラス担任の先公だ。


「コレで良いか、ですか?」
「良いけど、あの子は友達じゃないの?」
「付きまとう迷惑な奴でしかない」
「僕にはそう見えないけど?」
「は?」
「だって筑紫君、あの子と話してる時は楽しいでしょ?」
「楽しくない。ぜーんぜん楽しくない。ボスボスうるせぇだけだし。あ、先公、じゃなかった、先生!ボ○の缶コーヒー有ったりする?」
「無いよ」


ボスボス言っていたら飲みたくなってきたが無いなら仕方がない。


「筑紫君、先生よりさっきの子と遊んだ方が良いと僕は思うよ」
「えー」
「先生と話したりするより同年代同士で遊んだ方が親御さんも喜ぶと思うなぁ」


親御さんを出されると俺はうっ、となる。
お袋が喜ぶか……お袋が喜ぶならっ


「って、先公が俺を追い出したいだけだろ」
「ソンナコトナイヨ。ナイナイ」
「おい、目を反らすな。片言になってるぞ」


俺は先公と居ても話しても楽しいんだけどな。


「緊急緊急!2年Aグループが来る!避難しろー!」
「と、言うことで筑紫君頼んだよ!」
「えーまた俺が追い出すのかよ」
「職員室出禁にするよ?」
「デキン?って何?」
「出入り禁止って事だよって、入っちゃったね」
「僕は暴力嫌いですから。極力避ける」


話しながら俺も職員室の奥に有る避難用シェルターに入る。
此処を知ってから何度か入ってる。


「それに、怪我して帰るとお袋が心配するんだよ。せっかく平凡デビューしたっていうのに……」
「そうかそうか。すまないね。はい、お茶」
「んっ、ども」


職員室の嵐という荒らしが去るまで俺達はお茶を飲んで過ごす。


「あっ、閃いた!先公が制服を着て俺の友達だとお袋に紹介すればいいんじゃね?!」
「無茶ぶりにも程が有るよ筑紫君。先生これでも36歳だからね」


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