短・中編置き場
□偽者勇者のハッピーエンド
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可愛いお嫁さんと子供2人を持つ王国最強と言われる武道家ザック
王国一の魔術研究機関最強の魔術師ローリエ
元修道女今は治癒師の美女メグミ
そして勇者ジーン
王からこのメンバーで魔王討伐を命じられ旅に出ました。
語り部は私、ローリエです。よろしくお願いします。
このメンバーでの旅は大変でした。
主に、勇者ジーンが。
旅の初め、森でのモンスターとの戦闘は私と武道家ザックのおかげで進めていた様なものです。
勇者ジーンは剣を初めて持ったというド素人、魔術も使ったことがないというただのガキだったのです。
お荷物な勇者だと思われたが、勇者ジーンはザックと私に教えを乞い、真面目に取り組んだ。
道中でザックが剣術を教え、私が簡単な魔術を教えてなんとか戦えるようになりました。
ジーンが初めてモンスターを1人で倒せた時はみんな喜こんでたくさん褒めてあげました。
その時のジーンのピュアな笑顔は今でも忘れません。
それからジーンはどんどん強くなり、僕達の主力戦となりました。
ザックが出ない街の大会に出たら優勝するようになりました。
初めて大会の賞金を手に入れた時は僕達みんなのおかげだと言ってプレゼントをしてくれました。
その時の照れながら渡すジーンのピュアな照れ笑いは今でも忘れません。
私達から見たジーンはとても可愛い子供だったのです。
ですが、いつからでしょうか。
ピュアな勇者ジーンがゲスな勇者ジーンになってしまったのは。
モンスターのスライムを見たら｢オ〇ホ〇ルにされたくなかったら消えやがれ！｣と言い、サキュバスには｢パ〇ズ〇させやがれ！｣酷い時は｢さっさと負けて(自主規制)ヤらせやがれ！ふはははは！｣とイカれ、その他モンスターには｢(落とす金が)100ドル以下には興味ねぇんだよ雑魚が！｣｢弱ぇ！弱ぇ！弱ぇ！俺様に挑むなんざ100万年早いわ！ハハハハハハハハ！！｣と言って血祭りに上げるんです。
元修道女今は治癒師のメグミが居るというのに酷いでしょう。毎回メグミの耳を塞ぐ私の身になって下さい。
と、言ってもそれがきっかけで私とメグミの仲は深まり今では婚約する仲になったのですけど……閑話休題。
ジーンは街の大会に優勝しても賞金を独り占めにし、少しのお金を私達に渡し女遊びをするんです。1日でお金を使い果たす程女遊びをするって酷すぎませんか。
金はモンスター狩りで稼ぐと言って聞きません。
賞金首、盗賊狩りした後も同じです。
僕達の懐は常に寂しいものでした。
(でもメグミには私とザックより多めにお金を渡していました。女遊びをしてるだけあって女の大変さを聞いて知ったようですよ)
お金と女好きになってしまった勇者ジーン。
魔王城に着き、下っ端共を倒し中ボスも倒して魔王と戦いました。
強くなり簡単に勝てる相手だと勇者だけでなく私も、メグミとザックも侮っていました。
魔王はとても強く、みんな瀕死状態に陥り全滅しかけたました。
けれど、あのお金と女好きになってしまった勇者ジーンが秘密兵器を使うと言って取り出した道具が戦闘中1度だけ王都に戻れる道具でした。
1度撤退し立て直し強くなってから再戦するのだと思いました。
けれど、王都に戻ってきたのは私とメグミ、ザックの3人だけでした。
勇者ジーンは戻ってきてませんでした。
秘密兵器が使用者以外のメンバーしか王国に戻せないなんて知りませんでした。
知ったのは瀕死だった私達が回復してから王に聞かされてです。
それと、衝撃的な話は続きました。
今度は本物の勇者と魔王討伐へ向かえ。
という命令でした。
本物の勇者とは？勇者はジーンなのでは？私とメグミ、ザックは困惑しました。
けれど、本物の勇者は神子を連れており、しかも聖なる力を使い証明したのです。
勇者ジーンが1度も使わなかった聖なる力。
聖なるシリーズの道具を手に入れてもジーンは聖なる力なんて頼らずに実力で戦いたいと言って使わなかった。
いや、使えなかったのだと今わかりました。
本物の勇者は聖なるシリーズの道具を使いこなしているのだから。
今まで私達と共に旅をしていた勇者ジーンは、勇者だと偽ったただのスラムの子供だったと王に告げられました。