短・中編置き場

□書記様のお気に入りを辞めます!
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僕は、書記様の親衛隊に員所属している中口京兎(なかぐちけいと)といいます。
僕の担当は主に書記様の癒しとなり、夜のお相手になる事です。

今日も夜、書記様の部屋に呼ばれるとベッドに押し倒されて前戯をされながら服を脱がされていました。

「太樹(たいき)様っ、擽ったいです」
「んっ、ちゃんと、集中して」
「あっ、太樹様っ、んっ、」

胸を片方は舐められて片方は弄られてどんどん体と胸が熱くなって……きた時でした。
突然バーン!と扉が開いたのです。

「こんのー!浮気者!僕いう者がありながら!責任を取るって言っておきながら!酷い!浮気者!」

目を涙で赤く腫れさせ、大声で怒鳴りながら入ってきたのは風紀の副委員長様でした。

僕は吃驚です。
書記様に恋人が居たという情報は無いし、今日まで親衛隊員が変わるがる呼ばれ抱かれていたのだから。
しかも、接点が無いような、書記様と噂のうの字も無い人物でしたので……って、なんで僕よりも書記様の方が驚愕な顔をしているんですか?!

「あ、う……だ、だれ?」
「なっ!」
「えぇ?!太樹様、風紀副委員長の倉西様ですよ?!」
「酷い!酷い!酷い!責任を取るって、付き合うって、言ったのに!誰って酷い!僕は、僕はぁ…、うっ、うぇぇぇぇーーーー」

副委員長様が泣いてしまった!
困惑したいのに僕よりも書記様が困惑してるから冷静になって現状把握をしなければならない!

「太樹様、副委員長様に何をしたか覚えてないのですか?」
「……しら、ない」
「うわぁぁぁぁぁあーーーーーん!」

あぁー副委員長様がさらに大声で泣いてしまった!絶対に何かありましたよね?!責任を取るような、付き合うような……大体の予想は付く。付くけど、そんな馬鹿な。心当たりはないか?思い出せ。何か情報は…………

『隊長、僕の日は昨日でしたよね?今日でしたか?』
『泉君は昨日で合ってるけど、どうした?』
『いつもの場所に行って待っていたのですが、太樹様は来なかったので……』
『そうか。太樹に聞いてみるし、明日は中口君だったな。変わって貰えるかい?』
『はい。わかりました』

今日と明日と担当予定だった為、変わってもらえて逆に好都合だった……てこれだ!

「太樹様、昨日は泉君だったのに間違えて副委員長様をお持ち帰りしましたね」
「う?そ、なの?」
「そうとしか考えられません。太樹様、当日の子くらいちゃんと覚えていて下さいよ」
「ご、ごめん、ね」
「謝るのは僕ではなく大泣きしてる副委員長様です」

可哀想に、大声で泣いて責任取って付き合えって言う事は処女喪失したと思う。
厄介な相手を抱いちゃったね太樹様。

「うわぁぁぁぁぁあーーーーーん!あーーーーん!!」
「ごめん、ね」
「謝まっても許さない!僕を愛して付き合え!浮気すんなー!!」
「あ、う、ぅ……解った、付き合う」
「僕を好きになれよバカヤロー!」
「う、うん、がんば、る」
「抱き締めて頭撫でて謝れー!」
「う、ご、ごめんね、ごめんね」

太樹様は言われるがまま副委員長様を抱き締めて謝っている。
副委員長様は大声で泣き喚かず嗚咽だけに治まったのはいいけども。

「あの、いいですか」
「な、なに?」
「正式に付き合うなら親衛隊員全員に報告しなくてはなりません。そして全校に広まりますが、よろしいですか?」

太樹様親衛隊員は僕みたいな世話焼きと身体だけの隊員がいれば、太樹様を本気で好きだった子が何人もいる。
副委員長様はその子達に認められなければならない。
たぶん、誤ってお持ち帰りされて処女喪失の責任を取るため。では認められない。敵に回るだけだ。

副委員長様なら、付き合えばどうなるか解っていると思いたい。

「そう、なの?」
「そうなんですよ太樹様。副委員長様はどうですか?」
「……いいだろう。お前達の前で付き合うと宣言する。コイツは僕のだもん」

書記様にギューと抱き着いて離れる様子は無い。
寧ろ頬を膨らませて僕を睨んでる。
言葉使いに似合わず可愛い副委員長様ですね。

僕は改めて床に正座をして、副委員長様を真っ直ぐ見入る。

「太樹様はこの通り、人に流されすく話すのと覚える事が少し苦手な方でエッチはほぼ毎日する様な方ですので、お付き合いをするとなると大変だと思います。僕と隊長は手を貸せますので相談にはのれます。太樹様をよろしくおねがいします」

頭を下げて数秒後に「は、はい」と言う副委員長様の声がした。
だから頭を上げて笑みを返すと、僕は服を整えて部屋を出た。
それから携帯で隊長に報告。

「もしもし!隊長!緊急です!太樹様に恋人ができました!」
『なにー?!お前か?!相手はお前か?!!』
「いいえ!風紀の副委員長様です!!」
『なんだとー!!!!緊急収集!!!書記様の親衛隊員全員集めろー!!!』

勢いで付き合う事にしても高潔生娘みたいな副委員長様ですから長くはもたないと思います。
これがいい経験になるといいですね。

「もしもし、書記様の親衛隊員、中口です。緊急集会を開きますので食堂に集まる様にみんなに連絡をお願いします」

さて、これから大変になります。
僕は気を引き締めなければなりません。


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