暮古月番外編

□もしも、羽山と○○が付き合ったら
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もしも、羽山と○○が付き合ったら。

1・青野凛空

青野と恋人同士になって早1週間。
青野は風紀委員長で毎日忙しいけど上手いこと時間を作って一緒にいた。お互いクラスが違うから会えるのは昼休みと最終下校後の時間。朝は風紀委員の仕事で青野は早いから偶にしか一緒に登校できない。寂しいけど、割り切っている。俺も報道部の撮影で会えない時も有るし、寂しいのはお互い様だ。

でも、会えば手を繋ぐ。これは当たり前にしている。青野の手は少し硬いかな。肉刺とか有るし、風紀委員で何故か三節根(ヌンチャクの三本化した武器)を使っている。怪我をしていたら凄く心配だし、傷つけた奴が憎い。青野は綺麗だから傷ついて欲しくないのに。

今日も青野は傷を負っていた。痛々しい青胆が腕から見えるし頬にだって絆創膏が貼られていた。


「青野、無茶するなよ」
「はい」
「これ以上傷増やすなよ」
「…はい」


部屋のベッドに座り手を繋いで肩に寄り掛かる青野。仕方ないからで済ませてないだろうか。お前はまだ学生なんだ。身体を大切にして欲しい。伝わってるのかな、俺の気持ち。


「羽山君」
「なんだよ」
「好きです」
「…うん、俺も青野が好きだ」
「キス、しませんか?」


青野と恋人同士になって早1週間。
キスはまだしていない。


「俺、初めてだけど」
「僕も、初めてですよ」


お互い初めてで。
ドラマや漫画みたいに自然とすんなり出来るわけもなく、顔を向き合わせて見つめ合う。青野の顔が赤くて可愛い。俺も伝わって熱くなってきて、心臓がバクバクする。手が、熱い。汗かきそう。


「りん、」
「じゅん…」


恐る恐る重ねた唇は本当に重なったか解らなかったけれど、顔が近くて、青野の匂いが何時も以上にした。


「……りん、もう一回」
「はい、」


……柔らかくて、熱くて、もっと青野を感じたくて、手を離して抱きしめると青野も抱きしめてくれた。

でも、俺達は初めて同士で、ディープキスなんて知らない。したことがない。だからどうしたらいいか解らず、唇を重ねて頬や鼻先にキスを落とした。


「りん、この先はどうしようか?」
「…あの、その…じゅん、トイレに行っても良いですか?」
「…!」
「起ってしまって、その、ごめんなさい」
「りん…俺も、なんだけど」
「え!」


お互い初めての事ばかりで分からないことが多いけれど、手を繋いで一緒に知って、初めてをすれば良い。


「りん、好き」
「じゅん、大好きです」


羽山と青野が付き合ってみた。
付き合いたてほやほや。うぶな2人です。


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