平凡勇者と腐った魔王様

□ガーネット勇者と神子と腐魔王
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俺が同性の恋愛に萌を感じる前。
専門学校ではなくまだ学園男子校だった頃。


「いっ、あっ、いくっ、イクゥ!」


授業中の中庭で堂々とサボり男の上に乗って腰を振って喘いでいるのは学園一の美男子とされ女みたいな顔と体を持つ勇者


「おい、風紀を乱してんじゃねぇよ」
「ひっ!ふ、風紀!」
「あっぁっ!…………邪魔すんなよ魔王」


勇者の相手をしていた男は俺の顔と注意され情事の姿も有ってか勇者から慌てて抜いて逃げてしまった。

勇者は仰向けで寝そべったまま中だしされたものを流しながら俺を見上げて睨みつける。こんなのはいつもの事だ。


「あーあ。もう少しでイけたのに」
「所構わず発情してんじゃねぇよ」
「るさいな!毎回毎回邪魔するな!」
「通報を受けんだよ!通報されるような所でやるな!と言うか自分の体を大事にしろよ!」
「るさい!るさい!るさい!」
「ティム!」
「俺に構うな!俺は気持ち良いのが好きなんだよ!好きだからしてんだよ!何回言わす気だ!」
「何度でも!」
「はぁ……このやり取りも何度目だ?」
「60回くらい?」
「数えてんのかよ」


勇者が俺に両手を伸ばす。
立てないから立たせてくれと子供みたいな事をする。これも毎回だ。俺は拒まずに手を掴んで立ち上がらせる。


「……中の出して」
「やだよ」
「出して。止めたお前の責任」
「そんな責任は無い」


俺の首に腕を回す勇者。
甘えたでこの合図は抱っこをせがんでる。
いい年だから抱っこをせがむなと言いたい。


「お前の部屋連れてけ」
「……はいはい」


結局抱っこではなく負ぶって勇者を俺の住処(風紀の部屋)に連れて行く。
そこにある風呂に放り込めば済む。


「んっ、はぁっ…」
「こら!背中で擦ってんじゃねぇよ!」
「イきそびれたからぁ、仕返しっ、」
「止めろ止めろやめぇ!」
「はっ、はぁ、きもちいっ、」
「ティム止めろぉぉぉお!」


慌てた俺は魔法を使いたく無かったが仕方なく影の移動魔法を使って部屋に戻った。
あーあ。移動魔法は一日一回なのに。


「おら!一人でしてこい!」
「んー……」


風呂場に押し込んで俺は湿布と味噌汁を用意する。
あいつ、毎回湿布と味噌汁を要求する。
まだビッチじゃない頃に味噌汁が美味しいと言ってくれてそれから遊びに来る度に作って飲んで貰っていた名残。

今じゃこうやって連れてきたら飲ませろと言われ作ってくれないと風紀のメンバーを一人ずつ食うと言われた(過去本当に味噌汁を出さなかったら食われた)

出会った頃の勇者は可愛かった。
勝負だと言ってあっち向いてホイだったりにらめっこしたり……無垢な子供で可愛かったのに。

ビッチになったのは覚醒してから。
勇者として覚醒したのは輪姦される危機から脱しようと覚醒したが同時に暴走させた。

勇者を輪姦しようとした奴らは重傷を負い学校を去った。

勇者は悪くないと言っても聞かず止めることも出来ずにビッチになってしまった。

あれから挑まれることも無くなり止める日々が続いてる。


「何の味噌汁?」
「普通の若布と豆腐」
「ふーん」
「ちゃんと乾かして…うわっ!水浸し!」
「蒸発させるから良いだろ」
「駄目だ!お前床を焦がすだろ!」
「じゃあ拭いて」
「自分で拭け!」
「……」
「わかった!拭くから床を焦がすな!」


勇者は光属性炎使い。だが、授業をサボって独学中の為コントロール皆無。
しかも暴走させた所為か人より魔力は少ない。直ぐバテる。


「魔王、眠い」
「わかった、ちゃんと頭を拭け、って裸?!」
「服は精液まみれで着たくない」
「バスタオルくらい巻いとけ!」


手がかかる。けれどほっとけない。
世話が焼く。でも見捨てられない。


「ふぅ、魔王の味噌汁は美味しい。落ち着く」
「それはどうも」
「ごちそうさま」
「お粗末様」
「おやすみ」
「あぁ」


布団に入って眠る勇者はビッチだと思えないほど綺麗で繊細に見える。

この寝顔を見る度に俺以外の誰か……ティムを一途に思ってくれる人が現れるまで俺はそばに居ると誓っていた。

.
.
.


「あっ、あんっ!せんせっ、本当に単位くれるのっ?あぁんっ!」
「あげるよ、満足するまで、毎日僕の元に」


授業中の空き部屋、魔術実験室で勇者と先公が交わってると聞いて来たら本当だったとはな。


「おい、先公。何してんだよ」
「っ、君は!風紀の魔王!」
「あっ、せんせ、止めないでっ」
「止めんか」


先公が魔法を仕掛けてきた。
だが魔王の俺に先公なんぞ痛くも痒くもない。さっさと吹っ飛ばしてヴィリアの元に送り込んで、


「お前もいい加減にしろ!世の中甘くねぇんだよ!」
「ぎゃっ!」


勇者にバックドロップをお見舞いし留年させた。
どうせ体を重ねても留年だ。
騙される前に止めておかないとな。


「ここまですんなよ…痛い」
「お前の為だ。その痛みは受け取っておけ。それと、ちゃんと上がりたかったら授業を受けろ。な?」
「やだ」
「てんめぇ……」


もう一発してやろうかと思ったが泣きそうな勇者を見て結局俺の部屋に連れて行った。

俺って甘いなぁ。

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