平凡勇者と腐った魔王様

□それからそれから2
1ページ/51ページ


それからそれからのあらすじと言うより纏め。

イゴールとトマト仲間になる。

俺、平凡弱小勇者チャムルカブリアはユアン先輩と魔王とバーベキューに参加する為、分離して子供の姿になってしまった。

数日経ち、子供の姿から元の姿に戻ろうとしたのだが、もう1人の俺が戻りたくないと言うので戻るの延期。

イバーユ、イゴールの双子は両親と旅行へ。

ソイル、強靱な心を得る為の修行へ山篭りをしたが、肉体的レベルアップで終わった。

俺、七つの源罪の黒づくめに狙われる。
フェロモン魔法を使えるから色欲候補らしい。解せない。
セイがとても俺を支えてくれている。
おかげで俺は勇者の自信を持てて、逃げる事をやめようと決意。
すると、石が光った。
聖剣ならぬ聖盾が出るようになり、強度やどういう時に使うと良いか調べた。

もう1人の俺はサル(魔王)とユアン先輩(神子様)に挟まれて堕落したハーレムを築いてました。
契約した妖精と魔獣が太ってる(現在進行系)

チャムル恋愛パラメーター
セイが断然トップで1位。
以上。

「チャムル!最後のは何だ?!」
「途中まではユアン先輩だったんだけど、もう1人の俺の方が良いんだって思うと一気に好感度が下がったからこうなった」
「お、俺は?!」
「ソイルは友達だろう?」
「!」(ガーン!!!!!)


物語の続きを始めたいと思う。
俺、セイ、ソイル、ネネは学校中に黒づくめが居るので森の中で修行をしていたのだが、

「勇者みっけー!」
「こんな所に居たとはな」

草木の陰から現れたのは黒づくめのグラトニーと……

「グラトニーと、誰?」
「知らないのか!このエンヴィー様を!」

バッ!と黒マントを脱いでくれたが……やはり初対面である。
全然知らない。

「あの様子だと知らないっぽいよエンヴィー」
「なに?!お前と俺様はとっくの前に会っているんだぞ!!」

いや、そう言われても。
黒づくめは黒マント被ってフードで顔が隠れてる。身長も似たより寄ったりだ。

「くっ!俺様よりグラトニーを覚えてるとは屈辱だ」
「あひゃひゃひゃ!ねぇ、エンヴィーヤっちゃおー?勇者を生け捕りに出来れば手足を食べても良いんだよね?」
「……あぁ」

ヤバい。今、此処にソイルとネネは居ない!
セイはいつの間にかお子様石(通信石)でネネに知らせている!
流石セイ!やる事が早い!

だけど、グラトニーは鉈を構えエンヴィーという奴は黒く禍々しい魔法陣から黒い大蛇を召喚。

「あっ!バラード!」
「お前!何故俺様を知らなくてバラードは知っているんだ!」
「え?それは君が呼んでたからで、君自身は自己紹介してもらってないから」
「なっ、ッ、ムッ、ムカつく!妬ける!凄く妬ける!……勇者が憎い。でも、ヤれない……ムカつく……!」

エンヴィーの手元を見れば、いつの間にか両手に握られていた柄の長い鎌と短い鎌。
まさかの二刀流ならぬ二鎌流?!

大蛇に二鎌流にグラトニーの鉈にグラトニーは豚を召喚出来るんだっけ、召喚されたら……分が悪すぎる!

「逃げますよチャムル!」
「あ!待て!」

セイに手を握られ走り出す。
ビュンッ!と横に飛んできた鎌は木に刺さった。
せ、背中に刺さらなくてよかったぁぁあ!

「チャムル、聞いて下さい!」
「なに?!」
「ソイルとネネも応戦中です!」
「嘘っ?!」
「しかも相手は3人、そして僕達の所には2人……後1人が解りませんし、ソイルとネネは期待できません」

なんだよそれ、絶体絶命ってやつじゃないのか?!

「なので、あの2人は僕達で撃退します」
「!」
「僕がネネと手合わせしていた所まで行きますよ」

危機的状況は凄いもので、普段ならバテている距離でも限界を越えて走り続けられた。
それは俺だけでなく、セイも同じようだ。

後ろからの攻撃を避けながらセイは言った。

「チャムル、後ろで悲鳴が聞こえても足を止めないで下さい。振り返らずに走りつづけて下さい」
「え、何それ、気になるんだけど?!」
「僕が仕掛けていた魔法陣を発動させるだけです」

セイがパチン!と指を鳴らした。
すると、後ろからドカーンとかバーンとかギャーとか落ちたぁぁぁあ!助けてエンヴィー!って色々聞こえてきた。

グラトニーが落ちたって、落とし穴?

「……グラトニーは足止め出来ましたね。後はエンヴィーだけです!エンヴィーだけなら僕達でも勝てます!」
「2人相手より1人の方が確かに勝てるかも!」

と、言ったものの、セイと足を止めて振り向けばエンヴィーと真っ黒い大蛇。
1人じゃなくて1人と1匹……うーん……勝てる、のか?

「チャムル、臆してはいけません。大蛇は丸焼きにして食べるとか皮を剥いで鞄にしてお金にしてやるくらいの勢いでないと」
「えっ、それはちょっと惨くない?!」
「このくらい余裕でないと僕達は負けるかもしれませんから……チャムル!盾で土の壁をお願いします!」
「え?あ、うん!」

急いで!と言われて痣から盾を召喚して土に石を填め(はめ)込む。
俺の背中に密着するようにセイも居て、一緒に土のドームに身を潜める。
すると外から再びドコーン!と爆発音が聞こえた。

「……セイ、今のは?落とし穴の音じゃなかったよな」
「威力を強めた地雷魔法です」
「そんな魔法をネネ相手に使ってんの?!」
「使ってもネネは全然掛かりません。掛かっても落とし穴とかタライだったり威力の小さなものばかりでして……今は残っていて助かりましたね」

確かに使える魔法陣が残っていて良かったけどさ、セイって顔に似合わず過激な魔法陣を書いてるんだな。

.
.
.

数分後、外の爆発音が止んだ頃に俺達は土のドームを解除して外を見たのだが、

「これは……」
「やりすぎましたね」

一面見渡す限りの焼け野原。
少し遠目に燃え盛る木々が見える。
コレって、山火事じゃないか?
エンヴィーと大蛇は居なくなってるけどさ、

「これってさ、逆に俺達ピンチじゃね?」
「チャムルの水のドームで僕の魔力が回復するまで待機しても良いですか?」
「回復したらどんな魔法使うの?」
「……休みながら考えます」

水のドームの中で休んでいると雨が降ってきた。
その雨は魔法による雨で、魔術科の人達が数人掛りでやってくれたそうだ。

火が鎮火して山を下りた俺とセイにはネネとソイルからの説教が待っていた。

結局グラトニーとエンヴィーは捕まえられず、山火事を起こして散々な結果で終わった。


次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ