平凡勇者と腐った魔王様
□それからそれから3
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(西の国のターン)
学校でグラトニーとサルが学校を壊しながら追いかけっこをしていた頃、こっちはいうと。
「チッ!すばしっこいわね!」
「頑張れ!トメトー!ナース!キュリー!」
俺は盾のノーマルドームシールドに隠れながら戦闘は妖精達に任せていた。
俺も戦いたいけど相手が早いし強いで首を折られた後、今度は腹を刺されて重傷。治ってから盾を出して追いかけて今再び戦ってる。
俺は応援しながら魔力を妖精達に送り込んでいる。
すると妖精達の魔力は上がり、トメトは新技ファイヤーウェーブが使えナースはスローモーションを覚えキュリは鋭い蔦の本数が3本から6本に増えた。
それに、妖精達は小さいし速さのカバーは俺のフェロモン魔法の上乗せ。鋭い風をイメージして速さアップさせてる。
こんな魔力の使い方が出来るとは……俺の代わりに妖精達が戦うと申し出て応援してる時に強化させることが出来ると気づいたから良かった。本当に良かった。妖精達は戦えている。
それと、敵にフェロモンを与えるのも忘れない。
バレない様に少しづつ確実に。
「っ、」
「よし!効いてきた!」
体を怠く重くさせるフェロモン!
体調を不調にすれば戦闘は続かないだろ!
俺の日頃のトレーニングバテが使える日が来るなんて考え様だな!
「あーもうウザイ。私を苛立たせないで」
「……なんかやばいっ!トメト!ナース!キュリ!撤退!逃げろ!」
「来なさい。フィーネ」
相手からドス黒いオーラが一気に沢山溢れ出て、後ろに大きな魔法陣。
そこから現れたのは、グラトニーの時みたいな子豚なんかじゃない。
そんなのと比にならない、此処の廊下や窓をぶっ壊す巨大で黒いドラゴン!
「嘘だろっ!」
「フィーネ、勇者ごと焼き尽くしちゃって」
ヤバイって!俺、石を持ってないから!
ドラゴンの口に黒い火が溜まり……放たれる前に猛ダッシュで逃げる。
放たれた瞬間、俺は吹っ飛んで窓にぶつかり割れて落下した。
「っ!あっつぅう!いたぁぁぁ」
木に引っかかりながら落ちたから骨が折れたりしなかったけど……燃えてる。城が黒い炎で燃えてる!
「どうしよう、俺、水と土属性の妖精と契約してない!火消せない!」
相性が悪かった。俺にはもう策は……
「キュリって樹属性だから友達に水と土いるんじゃないか?呼んできて俺と契約できないか?」
『主様、召喚陣で呼ばないと契約は難しいかと』
「友達はいるんだな?!」
『…………私、こんな容姿だから友達はトメトちゃんとナースさんだけなんです』
「キュリごめんよ!でも可愛い!キュリは可愛いよ!!」
『主様……役に立てず申し訳ないです』
キュリをよしよし撫でながら考えた結果、
「トメト、キュリはユアン先輩を呼んできてくれ。ナースは俺とドラゴンを街から遠ざけるぞ」
場所は街を抜けた砂漠だ。
壁も何も無い砂漠はリスクが高い。けど、この国の人達を巻き込むわけにはいかない。
ナースのスローモーションや3分ストップを使って避けて逃げる!
作戦実行!!
「ナース!ドラゴンにスローモーションを頼む!」
『解った』
けれど、レベルが違いすぎた。
ナースのスローモーションを使っても、
「フィーネ、ファイヤーボム」
「うわぁぁぁぁあ!!」
早かった。変わらず早かった。俺は猛ダッシュで逃げてまた吹っ飛んだ。
「駄目だ!早すぎる!」
『主が早くなれば?』
「それだ!できるか?!」
『……無理』
「出来ると思ったんだな!どんまい!」
くそぉ、俺のレベル不足だ。
きっと次は俺を早くする魔法が使えるんだろうな。
って、あ、ヤバイ。
目の前にドラゴン。
『ストップ!!』
「!」
『逃げて!』
ナースが時間を止めたが3分が限界。
どのくらい逃げれるか……
『主、もう無理』
「え?!」
『疲れた』
そう言ってナースは頭の上に乗った。
えっ、もうバテた?!俺が魔力を送り込んだりフェロモン魔法を使って強化させたりしたから早くバテたのか?!
そういう俺も魔力がもうつきそう。
残るはアボカドンだけど子犬サイズだから戦力外。
ユニコーンの姿だっから逃げる足にできたのに!
どうしたら、どうしたらいいんだ。
もう城内で戦った方が被害が小さく済むか?
3分では街の外の砂漠に着けない。
「死ぬのだけはごめんなんだけど!」
…………ユアン先輩が来てくれると信じて隠れて待つ。