漆黒の魔導師

□小ネタ集
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Fあいしすぎて逆に怖いよ…



カ「ルシエルー!今そこでマリアさんに会って、これルシエルにって!」
エ「手作りチョコケーキですって。ホントに愛されてますね、ルシェさん」
なんだか微笑ましげに見てくるエヴァを軽くいなして、カイルから可愛らしいラッピングのされた箱を受け取る。
そして、間髪いれずゴミ箱へ放り投げるルシエル。
カ「ちょ!なんで捨てんの!?いくらルシエルでも酷過ぎんだろ!!」
ル「私の勝手だろう」
カ「そうだけど、こればっかは言わしてもらうけどな、あんたちょくちょく、マリアさんに冷たすぎ!
せっかくルシエルのために真心こめて作ってくれたのに」
ル「おい、拾うな」
カ「拾うわ!そんでルシエルが食べないなら俺が食べる!!」
男は美人が作るお菓子が大好きなんだと、のたまい箱を開けて一口。
ルシエルが止める時間もなかった。
ル「馬鹿もの!今すぐ吐き出せ!」
カ「なんだよ捨てといて嫉妬してんじゃねえ」
エ「カイルさん、私からも言いますが、吐いた方が…」
カ「エヴァさんまで何言って…」
が、その理由は身をもって知ることになった。
胸を締め付ける鼓動の高鳴りと、顔が真っ赤になるほどの熱。
瞬間的にカイルは気付く。
…これは…恋だ……。
カ「マリアさん…いや、マリア…。愛しすぎて狂っちまいそうだぜ…!
ああ!ああ!今すぐ会いに行かないと…!心臓が!心臓が!止まる!!!!!」
ル「見ろ。タダでさえ騒がしいのに、さらに騒がしくなったぞ」
エ「言ってる場合ですか!暴れ出す前に押さえつけて解毒しないと!」

それから、取り押さえられて、解毒薬をがぶがぶ飲まされるカイル。
正気になって何が起こったか分からなかったが。

ル「食べた相手に強迫観念を植え付ける劇薬だ。
早いこと解毒しないと、人格が崩壊して一生廃人になるところだ」
カ「?きょうはくかんねんってなに?」
頭を抱えるルシエルの代わりにエヴァが解説する。
エ「惚れ薬が入ってたんですよ。しかも超絶にヤバいやつです。
私も初めの時、カイルくんと同じ事して大変な目に遭いました…」
カ「え…。マリアさんて、そんなことする人だったの?」
ル「ああ。しかも週単位で持ってくるからタチが悪い」
エ「まあ、ルシェさん以外にはそんなことしないんですけどね。
あの人はそのー、ルシェさんが好きすぎなんですよ。
でも、それが裏目に出ちゃって、ルシェさんはあんまり…」
ル「あんまりどころじゃない」
不機嫌そうに腕組みする。
ル「今はマシになった方だが、私のところにいた時なんかはもっと酷かったぞ。
できれば二度と近づいてほしくない」
カ「そこまで言う?なにされたか気になるな」
エ「私が知ってるのは、出かけないように食事にしびれ薬入れられたり、鎖でベッドにくくりつけられたり、手足の腱切られて車いす生活させられたり…とかですかね」
カ「なにそれコワッ!ミザリーじゃん!」
ル「誰だそれは」
カ「えー!それでおとがめなしなの?!」
エ「まあ、あの人はルシェさん以外には普通ですから。
半分ルシェさんのせいみたいな感じで、専属解かれることで罰になったみたいですけど」
カ「それいいの?」
ル「良い訳がないだろ」

ルシエルがマリアにとる冷たい態度の理由を理解したが、むしろもっと無視とかして良いんじゃないかとすら思うカイルだった。



―――――――――

ミザリーは有名なホラー映画。
いつか、マリアの恐怖の介抱回とか書いてみたいですね。
拘束道具持って追いかけてくるマリアと、体を引きずりながら逃げようとするルシエル…みたいな。
でもおとなしく自宅療養しようとしないルシエルにも非はある。



 
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