短篇小説

□過去の思い出
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「こ、こいつは…なんだ?何の冗談だ?」

「いやいや、格好いいよお前」

隣の席の透(とおる)は笑いながら一冊の本を指した。

卒業アルバムと書かれた本の中に僕の写真が載せられてあった。

それは別段おかしな事じゃない。全員の姿が無くては卒業アルバムは成り立たない。

ただ問題なのは自分が腕を組んで廊下を歩いていた時のモノがなぜか載せられていたと言う事だ。

「廊下中央を堂々と…なかなかサマになってるな」

「…ほざけ」

唸るように僕は答えた。

透はそんな僕の言葉を無視し次のページをめくる。

僕や透も含めクラスの雰囲気はにぎやかに色づいている。

皆懐かしそうに1ページづつめくってはその時その時の事を話しては笑い合っていた。

僕もまた一枚づつめくってみる。

学園祭・運動会・修学旅行どれも皆楽しげに、真剣に、そんな皆の顔が並んでいた。

野球部が準優勝した時、サッカー部が優勝した時、吹奏楽・美術・剣道などの各部員達の写真もある。
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