WJ系短編詰込式

□私のヒーロー
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帰りの学校の植込みの影で、じっとしていた。
ちょっと色々面倒臭くなって逃げたんだと思う。
勉強とか運動とか勉強とか人生についてとか。

少しづつ暗くなる空。
居なくなる人。
校舎から光が消えて、まるで私を追い立てるみたいにそびえ建つ。
怖くなって、余計にそこから出られなくなってしまった。

そしてその中、その人は降りてきた。
黒髪でマフラーを巻いた、クラスにいても目立たなそうな。





私のヒーロー






上から軽い音と共に降りてくる男の子。
暗くて良くは見えなかったが、マフラーと眼鏡をしているのはわかった。
息を潜めていると、彼は上を向いて服を払う。
そしてすぐに時計を見て、小さくつぶやいた。


「これじゃあ電車の時間に間に合わないかな」


ぐっと溜められた足。
私がそれをしっかり見ていれば、彼は突然、恐ろしい速さで走り始める。
あっという間に男の子のは消えてしまった。

暗い校庭。
暗い空。
暗い校舎。

もう、気にならない。
慌てて植込み出て、消えていった方向をただ見つめる。

見つけてしまった。
あれはきっと、現代のヒーローだ!
いつもは正体を隠して学校へ通い、何かがあると変身して人々を助ける正義の味方。
きっとそうだ、そうに違いない。
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