夢散歩
□02:降り立つは悪役か
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他人が死んでも余り気にならなかった。
自分には関係ないことであって、それ以上考える必要はない。
元々彼はそんな人間だ。
しかし斬られている人を二階から眺めていて、ぽっと現れた少女に目を奪われた。
いつの間に、どこから。
あぁ、何て変わった身なりをしているんだ。
一回目の斬撃で死ぬかと思っていると、予想に反して少女はそれを避けた。
しかも避けた後ツッコミまで入れた。
高杉は笑って、近くに立て掛けてあった刀を取る。
面白い。
二度目の攻撃。
それもギリギリで避ける。
下で人殺しが笑う。
助けるわけではない。
気まぐれで、少女を生かしてやるだけだ。
彼は抜刀して、二階から飛び下りた。
「まだ咲いていねぇ花を折ろうとするとは、趣味が悪ィな」
降り立つは悪役か
キンという高く澄んだ音がして、どこかから落ちてきた男がこちらを向く。
どうやら刀をしまったらしい。
そして振り向いて、まるで値踏みするかのように私を眺めた。
しかもその後溜め息を吐く。
どんな意味の溜め息だ。
「どちらかと言えば、雑草っぽいな」
「何それ!ちょ、ひど、傷つきやすい年頃の乙女に何言うの!?」