WJ系短編詰込式
□仕事さぼり
2ページ/2ページ
もう一つ団子を口へ放り込んだ。
今度これを土産に、一護のところへ行こうと思う。
「見てわかる。私が言っているのは、お前はまだ勤務のはずだがと……」
「隊長、あんまり難しいこと言ってると、ハゲちゃいますよー」
「!?」
「嘘ですよ。今はただのサボりです」
「何!?お前さっき、休憩時間だとか言ってなかったか」
固まった隊長に噛み付いて来るルキア。
彼女の方はうまく団子でなだめ、隊長にも団子とお茶を差し出した。
「あんまり根詰めると、いくら冷徹隊長でも体ぶっ壊しますよ」
「……」
ふわりと笑いながら言うと、黙って、そして私の横に隊長が座る。
団子で宥められたルキアはびっくりしたようだ。
「少しの間くらい、仕事忘れてくださいよ」
「……あぁ」
小さく返って来る声。
団子には手をつけないが、湯飲みは取った。
ルキアは感動したように私を見つめている。
多分心の中ではこうだ。
そんなに兄様の体を心配してくれていたのだな!
でもね、ルキア。
私の狙いはそれじゃないのよ。
隊長を共犯者にしてしまえば、さすがの恋次も手が出せないじゃない。
あいつ怒らせると面倒なんだもの。
そんな風に思いながら、お茶を飲む。
今日は素晴らしいサボり日和だ。
恋次はそれを、少し遠くから眺めていた