学園BASARA
□4月:新学期から波乱万丈
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■眼下の喧嘩は面白いか
新学期を向かえ一週間が経った私立学園BASARA
良い意味でも悪い意味でも噂の耐えない高校だ
確かに部活の練習試合や文化祭以外で他校の生徒は絶対に近づかない
他校の不良グループと喧嘩になったという話もない
ただ学園内に不良がいないことも無い、しかし世間一般で言う不良を超越した変態がたくさんいるのも事実
特に二年と、今年入学してきた一年は凄まじい奴がわんさかいる、あと残念ながら一部の三年も変態だ
でも最凶なのは生徒だけじゃないのが学園BASARAの凄い所
そう、教える側の教員でさえ変態の集まりなのだから
『でもまぁアレに比べたら私たち三年生なんて可愛いもんだよねぇ』
授業中、頬杖をついて窓の外を見れば、体育の授業だろうか、二年に上がった真田と伊達がボールを挟んで喧嘩をしているようだ
あの二人はそれぞれ真田がサッカー部、伊達が野球部に所属していて、部活で使うグラウンドの所有権を巡って毎回騒動を起こしている
体育の授業を一緒にやっているということは同じクラスか、あるいは隣のクラスになったのだろう
まぁあの喧嘩っぷりを今年も見られると思うと授業も少しは楽しくなるかもしれないなぁ
そんな事を考えていたら、いきなり真田が持っていたバレーボールを蹴り上げた
なんだ、ドッジボールをやってるのかと思ってたらどうやら彼らはサッカーをやっていたらしい
いや、違うようだ
真田の蹴ったボールを伊達がバットで打ち返した
今日の競技種目はキックベース、でもなさそうだ
ふと、伊達の打ったバレーボールが徐々に大きくなっている事に気づく
三年の教室目掛けて飛んできているみたいだが、幸いここ一組ではない
この軌道は奥の四組か五組あたり、五組といえば不幸代表の黒田がいたはず
じゃあ五組だな
孔怜はそう判断しつまらなさそうに黒板に顔を向けた
しばらくして黒田の叫び声が聞こえたのは言うまでも無い