逆月
□第三章
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『ふ・・・さぁ、喰え』
―ぐちゃ―
肉のちぎれる音が、静かな平野に響き渡る。
今日で5体目のヴァジュラ。もう、私は新人などとは言われなくなった。
【うっわ〜ありえない・・・あのアラガミを瞬殺だってよ】
【・・・・ソーマよりやばい感じしない?】
新人がこんな力持っているはずがない
そういわれた。
『ちっ、つまんねぇ』
そういって、私の任務は幕を閉じた。
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「うわ〜帰ってきたよ・・・・」
「・・・・やっぱり化け物なんじゃない?」
いつものように始まる陰口。私が、この大広場を通るとき、任務から帰ってきたとき、必ず私への陰口が飛んでくる。
まぁ、慣れてしまったが。
『てめぇら、陰でこそこそうるせえんだよ』
やべっ、て顔してる。
『言いたいことアンだったら直接言えや、屑ども』
一睨みしてやった。相手の方がカタカタと震えだした。
そんなに怖いか?私が。
「はぁ・・・嫌な予感がしたから来てみたものの・・・・」
『なんだ?全責任は俺の所為だと?』
「おんなじセリフをいつか聞いたことあるんだけど・・・・」
はぁ〜かわいくないなぁ君はホントに、と項垂れている。
・・・・かわいくなくて悪かったな。
『ふん・・・ばかばかしい・・・こんな屑の挑発に乗っていた自分もバカバカしい・・・部屋に戻る』
榊博士を置いて、勝手に部屋に戻った。