新月
□参
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『う・・・・・』
まぶたが無理やり開かれる。
アレから私は、倒れこんだまま気を失ってしまったらしい。
意識はじょじょに回複してきた。
にしても、くさい。
異様な空気が漂う中、私一人だけが困惑に陥っていた。
『ここ・・・・・・』
学校・・・だけども。
でも、私がいた立海じゃない。
・・・・ならここは、あの場所しかない。
『10怪談廃校学校・・・・』
きっとそこしかない。
しかし我ながら思う。
ネーミングセンスがない。
なんてったって私が勝手に付けた名前。
名前ないなんて区別がつけらんないし。
・・・私は一応除霊師で、こういう場所にも何度か来ている。
こんなに霊気の強い場所は初めてだが。
私は、自分の服のポケットをがさがさとあさった。
『ふぅ〜よかった。武器全部持ってきておいて』
とりあえず、札やら何やらは全部ある。(何でなのかはノーコメントで)
『それにしてもみんなは・・・・』
立海テニス部は私の周りにはいない。
でも、
きっと私だけではないはず。
かすかに、この校舎内に人がいる気配がする。
『死ぬ前に、みんなに会わなきゃ』
私は立ち上がり、この場を離れた。