新月

□八
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「うわあぁあぁぁあぁんッ!!」



こんにちは・・・って挨拶してる暇じゃないんです!




追いかけられてます。幽霊に。



「アアアアアアアアッ!!!」


「いぎやあああ!!」



叫んでる暇も無い。足がはやい。


と、行ってもあちらには足は無いが。





「だっ誰か助けて!!!」





誰でもいいから!味方なら(泣)



「死ぬぅうううう!!」




―ベタベタベタベタベタベタッ!!!―





下半身、目、爪、舌、歯、唇、頭部皮膚、さらには指が何箇所かない。



幽霊は手だけで私を追い駆けてくる。




胴体から離れた下半身までもが。




「アナタアシクダサイィィイイ!!」



「もっ駄目ッ!!」


髪を掴まれた。目の前には、どろどろに解けた皮膚、所どころない、まったく持って人間の要素が見当たらない顔があった。




「うっ・・・ぃや・・・!」




「ツカマァエタァアア・・・!」




「離・・・・し、てぇええ・・・・」





目からは何粒もの涙。




ああ、私死んじゃうの?




なんて考えていた私の下半身に激痛。




「痛ッ・・・だア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ッ!!」





ぎちぎちと腰を引っ張られる。





今までに経験したことの無い痛みに、カラダ自身が悲鳴をあげていた。



「っつあぁあ!!ウ゛アアアア!」



本当に下半身がちぎれる。




―ミチッ―




「え・・・・?」




カラダのどこかが切れた音。




喉の奥からは、鉄の味した赤い液体。




―ブチッ!ブチブチッ!―



「ア゛ァ゛・・・・」




意識が朦朧とする。



うっすらと見えるさっきの顔は、まるで楽しんでいるように見えた。





「ッ!?##NAME3##?!」



「!本当ですか?!」




「せん・・・ぱ・・・・」





私の意識は幕を下ろした。

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