赤月

□二章〜記憶〜
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【ねぇ―――にぃ!私からプレゼントがあるの!!】

【?なんだ?】

【このまえお店でね!買ったときに入ってたの!】

【ふぅん。・・・ってそのカード・・!?】

【そうだよっ!!まさかのドラゴニック・オーバーロードだよっ!!】

【かっけえぇ!!っ名無しさん俺にこのカードくれるのか!?】

【うんっ!このカードきっと―――にぃの役に立つよ!】

【ああっ!サンキュー名無しさん!!】


三「名無しさんっ!名無しさん!!」

『っ!?』

あ、やばっ、ボーっとしてた・・・・

『あ・・・ごめんなさい・・』

三「大丈夫かほんとに」

『大丈夫よほんとに』

櫂「おい、行くなら早くしろ」

「ったく・・・櫂はよぉ・・・さ、行こうぜ。」

『う・・・、うん』

靴箱から靴を取り出し、はいて外に出た。

『それにしても、この学校かなりでかいのね』

三「えぇ?そうか?」

『最初は吃驚したわ』

下を向いて早歩きであるく。

櫂「おいお前・・・・本当にしたことないんだな??」

『・・・ええ、ないわ・・』

な、なにいきなり・・・

櫂「・・・・・・」

三「おいおい・・相変わらずつめてぇなぁ」

『・・・・・・』

なんての嘘。やったことあるわ。
教えてくれたのはあなたじゃない。
櫂トシキ。
二人がまだ幼い頃、私がよく泣いていたときに、教えてくれた・・・
「ヴァンガード」
楽しかった。この気持ちに嘘はない。
心から櫂トシキと戦えることが楽しかった。
でも――――・・・

【お願いよ兄さん!!名無しさんちゃんを頂戴!!】

【駄目よっ!この子は私の子よぉっ!!】

【お・・・かぁ、さん・・おばさん・・やめてぇっ!!】

【駄目だよおかぁさん!!名無しさんを渡すなぁぁっ!!】

【あなただって知ってるでしょ!!?私には・・あんな子しか・・・それにもう子供ができないって先生に言われたのよ!?】

【あんたっ・・・!確かにあのこは知能が少し掛けているけど・・あの子だってあなたの子供の一人じゃない!!】

【欲しいんだったらそういえばいいじゃない!!その代わり名無しさんはもらうわ!!】

【っ!!駄目だって言ってるじゃない!!】

【もう何よ!!みんな・・・矛盾ばっかり・・!!兄さん!どうなの!!?】

【あなたっこの人に何か言ってやって!!】

―ズキッ―

『!?』

【名無しさんは―――お前にやる】

【っ本当っ!?本当に兄さん!?】

【っあなた!?な・・・何を言ってるの!?名無しさんは私達のこど【うるさいっ!!】!?】

【お前・・・忘れたのか?こいつは・・・#NAME1##はお前が浮気してできた娘だ。こんな子供可愛がれるはずがないっ!!】

【アレはちが【お前に拒否権などない・・・さぁ連れて行け】あなたぁっ!!】

【ありがとぉ兄さん!!】

―ズキズキッ―

『っつぁ・・・!』

【ねぇお母さん・・・名無しさんは・・・おかぁさんとお父さんと・・・トシにぃと・・一緒に居られなくなっちゃうの?】

【名無しさんっ名無しさんっ・・・!!!!】

【名無しさんは・・・お父さんとトシにぃと血が繋がってないの?】

【名無しさん・・・・確かにお前は繋がってない。でもおかぁさんが浮気した相手の子供でもない・・・】

【おかぁさん・・・・?】

【あなたは―――――なの】

【名無しさん・・・が?】

【ええ・・でも絶対に忘れないで。私達は家族。トシキとも、兄弟より深い絆で繋がっているから・・・!!】

【うん・・・!】

【また、どこかで会えるから・・・!!!】

【こんな無力なお母さんを・・・許してねぇ・・・!!!うっ・・・うぅ・・!!】

【泣かないでお母さん。私きっとみんなにアイに来るから】

【ほんとに・・・ごめんねぇっ!!!】

――――ズキンッッ!!

『やぁっ・・・!!』

三「?どうした名無しさんちゃん!」

『あ・・いや何でも・・・な、い』

三「顔・・・真っ青だぞ?」

『平気、だから・・・』

気がつけば足が震えていた。
冷や汗が出ていて今にも倒れそうなくらい頭がくらくらした。

『どうして・・・』

勝手に記憶が・・・・・

櫂「・・・ついたぜ」

三「お、もうみんな居るじゃん」

『はっ・・・ぁ・・・』

ここがカードキャピタル・・・
ヴァンガードなんて・・・もうやってないな・・・
否、やりたくなくなった・・・
あの日から・・・・

【もどってぇ・・・!―――!!!】

【どうしてぇ・・?私に力がないからぁ・・?】

もう捨てた・・・楽しかったヴァンガードをやっていた日々。
もう多分、私がカードを握ることはないだろう。
そう、絶対に・・・・・・

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